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きのうのハプニングナイト

●月曜日の朝、「あすの夜って時間ありますか?」とメールをいただいた。送り主は【伝説のホテル】の鶴岡秀子社長。
手帳をひらくとすでに予定が入っていた。

「ごめんなさい、あしたは名古屋で講演です。そのあと懇親会もあるので、今回はムリっぽいです」と返事を出そうとしたが、送信ボタンに伸びた手を止めた。

●「待てよ!」と考えてみた。

火曜の私の講演時間を少し短縮して鶴岡社長に飛び入りスピーチしてもらったらどうだろう。参加者は大いに喜ぶにちがいない。だが、その逆に主催者に怒られる可能性もある。ハイリスク・ハイリターンな思いつきだ。

●何が起きるか分からないが、まずは鶴岡社長にこんなメールをお送りしてみた。

・・・私は18時半から経営者団体の「同友会」さんで講演です。でも、よろしければ、それに鶴岡さんも飛び入り参加されて、20分ほどスピーチされませんか。
主催者の許可はとってありませんが、たぶん歓迎されるでしょう。

参加者の多くは【伝説のホテル】のことをまだご存知ないと思います。
しかし、勇気と希望がわく鶴岡さんのスピーチを聞いて喜ばない人はいないはずです。90分予定だった私のスピーチを70分にします。お時間が許せば、その後の懇親会までご一緒されるというプランはいかがでしょう。・・

●私が単なる講師役だったらこんな独断は許されない。しかし、この日の私は講師でもあり、企画者の一人でもある。
「これは、きっと許されるし、喜ばれる!」と判断してのことだった。

●すぐに鶴岡社長からメールが返ってきた。

「なんて素敵な企画。では火曜日の夜は名古屋に宿をとります!」

さすが、俊敏な決断と行動力だ。
普通の女性経営者だったら、家族や子供のことがあってこうした決断はできないものだが、何のためらいもなくそれができるのが彼女の魅力だろう。

●そんなやりとりで、勝手に武沢・鶴岡のダブル講演を決めて、昨夜会場入りした。

私はまっさきに主催者のところに行き、事情を説明した。
メーリングリストに前もって流してあったとはいえ【伝説のホテル】のことをまったく知らないようだった。その場で説明している時間もない。あきらかに当惑の表情を見せる会長に向かって、「ま、とにかく任せてください」と強引に私の段取りでやらせていただいた。

●集まっていただいたのは愛知中小企業家同友会で私が講師を長年担当している『経営指針講座』のOB会メンバー。

先月発足したての「公式OB会」はメーリングリストメンバーが約40名。
そのうち21名が集まった。

●会長あいさつのあと、私が70分間「業績向上策」についてスピーチし、その後、鶴岡社長にゲストスピーチしていただいた。

いままで何度も【伝説のホテル】のプレゼンをお聞きしている私だが、昨日はあきらかに様子が違っていた。

●一つは鶴岡社長にとってアウェイであること。

普段は、”鶴ちゃん”の話が聞きたいと思って集まる人が多いが、この日に限ってはある意味 “招かざる客” のような立場。

もう一つは、プロジェクターがないこと。いつものパソコンを使ったプレゼンができない。会話だけでメッセージを組み立てなければならない。しかも今回は21社中18社が震災のダメージを受けて危機感を感じておられる経営者ばかり。「夢」や「伝説」といった話題がどれだけ受け入れられるかも懸念した。

●しかし、どうだろう。

20分のスピーチが終わるや否や受講者の大半が “鶴ちゃん”との名刺交換とツーショット記念写真を求めた。そして15名が参加した懇親会でも鶴岡社長の発言にいちいち大きくうなずく。

今までお聞きしたどのプレゼンよりも地に足がついている感じが伝わってきて私も感動した。

どんな時があっても弱音をはかず、前にあるもののみを仰ぎ見て明るく生きる人が座をリードする。昨日の鶴ちゃんがそうだった。

●豊田市からお越しのある女性社長は、大いに興奮され、その場で鶴ちゃんに抱きついて「10口ほど出資させてもらいたい」と頬を紅潮させていた。
同友会の会員ではない鶴岡社長だが、次回のこのOB会(7月7日)にも飛び入り参加することを約束された。

●私の講演テーマとも相まって、「売上を二倍にする」なんていうことは夢でも何でもない超現実的な目標にすぎない。そのためのアプローチ方法も学んでいただいた。

経営者は更にその先にある大きな夢物語を構想する責任があるのだと全員が気づいた夜でもあった。

「会費(3,000円)安すぎます!」と言われた。当然だろう。
こんなハプニング・イベントも悪くない。

★伝説のホテル
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