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昔? 今を見てくれ!

50才になるある社長が忠告をくれた。

「武沢さん、人間も40才を越えるともう若くない。だから肉体トレーニングなどほどほどにして、体調を整える程度の運動にしておいたほうが身のためだよ。」

「そうかも知れないですね、ありがとうございます。」とお礼を申し上げた。

55才になる別の社長がやってきて私に忠告した。

「武沢さん、最近の理論では筋肉を鍛えるのに年令は関係ないそうだ。いくつになっても鍛えたら丈夫になるのが人間の肉体だ。守りに入らず、どんどん鍛えなさいよ。私もトレーニングジムに通って鍛え始めたよ。」

「やっぱりそうですか、どんどん鍛えます。」とお礼を申し上げた。

私は後者の考え方が気に入っている。

“昔の名前で出ています”じゃないけれど、昔のヒット曲を後生大事に今なお歌っている歌手がいる一方で、デビュー当時のヒット曲は一切歌わない歌手もいる。

「サティスファクション? 俺たちゃ、あんな古い曲を歌うために活動してるんじゃねぇよ。」とローリングストーンズのミックジャガー(60才)。ある日を境にして、彼らはこの大ヒット曲を歌わないと誓ったそうだ。
最新のこの曲がオレ達のベストなんだ、という精神こそロック魂なのだ。

日本人歌手で年をとらない代表格の桑田佳祐(46才)が「あんな60才いるかい?」と驚いたのがポールマッカートニー(61才)。日本の音楽教科書に載るほど世界中から受け入れられ、富と名声を集め尽くしたポールが今なおミュージシャンとしてみずみずしいのはなぜか。
たしかにポールもミックも外見上は老いた。だが、そのあくなき挑戦者魂と全身から発散する若きムードは年令を超越した。

同じく桑田が「僕はエリッククラプトンがすごい好きだったから。さっき真似ばっかりしてたと言われたけれども。エリッククラプトンはもう客観的に見れないでね。もう成り切っちゃってて。」(78年)と語る当のエリッククラプトンは57才。

矢沢永吉(53才)や井上陽水(54才)も負けていない。

あの独特の声がたまらない陽水は語る。
「20代のころの自分のレコードを時々聞くけど、今の声のほうが自分では断然気に入っている。」

要するに大切なことは、個人でも企業でも「昔より今のほうがすごいぜ」と胸を張って言えるような状況を作っていくことだ。あなた自身、そしてあなたの会社はどうだろう。