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クレドセミナーより

●先月、都内会場で「クレド」(経営理念、経営信条)に関するセミナーを受講した。講師はジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人でチーフ・クレドー・オフィサーをやられていた堀尾 嘉裕(ほりお よしひろ)氏。
2008年に同社を定年退職され、現在は日本クレド株式会社の最高顧問として活躍されている。

●ジョンソン・エンド・ジョンソンといえば我が信条(Our Credo)で有名。

・・・我々の第一の責任は、我々の製品およびサービスを使用してくれる医師、看護師、患者、そして母親、父親をはじめとする、すべての顧客に対するものであると確信する。
・・・

A4の紙一枚に収まる四つの価値基準が全世界で共有されている。

●1943年、ジョンソン・エンド・ジョンソンがニューヨーク証券取引市場に株式公開する前年、三代目社長・ロバート・ウッド・ジョンソンJrによって起草されたものである。

「我が信条」の存在を一気に有名にしたのは1982年・1986年の二度にわたる「タイレノール事件」のとき。同社の主力製品だった鎮痛解熱剤・タイレノールに毒物が混入され、被害者が続発するという事件がおきた。

●このときほど、日ごろの理念や信条の真価が問われるときはない。

同社の見事な対応はワシントンポストをはじめ全米メディアが取り上げ、その後、ビジネス書籍でもしばしば取り上げられるお手本事例になっている。

★我が信条 → http://www.jnj.co.jp/group/credo/index.html
★タイレノール事件 → http://tylenol.jp/story02.html

●業績も伴っている。

・76期連続増収(これは最近途切れたそうだ)
・25期連続増益(継続中)
・47期連続増配(継続中)

なのだからすごい。
米国フォーチュン誌による「最も称賛される企業」で第5位。バローンズ誌による「最も尊敬されている企業」で第1位と業績だけでなく、どこをとっても「エクセレント・カンパニー」とよべる企業である。
そんな話を聞くと、「うちもクレドというやつを作りたい」と経営者が思うのも当然だろう。

●しかし今回、私がこのセミナーを受講しようと思ったのは私がクレドを作りたかったからではない。それはすでにあるのだ。
そうではなく、ジョンソン・エンド・ジョンソンがどのようにして世界規模での『クレド・サーベイ』を行っているかということ。日本語でいえば、『経営理念調査』である。

●そもそも同社にはチーフ・クレドー・オフィサーなる役職がある。
「経営理念室」に経営理念専任の役員が存在するというのだ。

・経営理念室
・経営理念担当役員

その設置が「我が信条」という理念にこだわる会社の姿勢であり、同社の全従業員(11.5万人)の99%が参加する「クレドサーベイ」にもつながっているようだ。

●「クレド」にこだわる方法は「サーベイ」(調査)だけではない。

「クレド・チャレンジ」「クレド・リーダーシップ」「リビング・ザ・クレド」など担当役員が打ち出すクレド施策にぬかりはない。

まず「クレド・チャレンジ」とは、クレド・チャレンジ・ミーティングのことで1975年以来続いている公開議論の場。研修の一貫なのだが、実に率直な議論をする。

・クレドの文面はこれで適切か?
・変更すべきところはないか?
・削るものはないか?
・追加すべきことはないか?
・あなたはクレドを実践しているか?
・実践していなければ行動を変えようと思うか、それとも、クレドを変えるべきだと思うか?
・あなたの職場や上司はクレドを実践しているか?

といったことを世界中の従業員を巻き込んで行う。

●つまり、「我が信条」は岩に刻まれた文章ではなく、柔軟により良いものに進化させる意思が経営陣にあることを示している。そして、事実、細かい点の修正加筆は頻繁に行われてきているのだ。

●次の「クレド・リーダーシップ」とは何か?

<あすに続く>

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