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本との出会い

●「よい年をお迎え下さい」とか「来年もよろしくお願いします」という挨拶が似合う時期になった。

街に出ないせいか、それとも暖かいせいなのか、今がクリスマス商戦真っ盛りという実感がない。このまま何ごともなく2011年1月1日が始まってしまうような気さえする。

●とは言え、12月中旬。今週あたりから時間をみつけて書棚や資料庫を整理し、思いきって在庫半減してしまおうと思う。

私は年に何度か書棚を整理するが、そのたびに段ボール数箱を処分する。もちろんブックオフに来てもらうのだが、あまり良い値がついたためしがない。なぜなら、私のクセで「さあ、読もう!」となると本のカバーを捨て、本を逆に折る。自分の手になじませ、付箋をはり、ページを折り曲げたり線を引いたりする。だから売れない。
かみさんに注意されるが、「売るために買ったんじゃない」と言い訳している。

●書棚にある本をバッサバッサと整理していくと、古い自分の皮膚をはいでいくような気分だ。痛くもあり気持ちよくもある。
こうして書棚をスッキリさせ、頭もスッキリすると新しい本を受け入れる気持ちの余裕が出てくる。

未知の本との出会いは、人との出会いに通じるようだ。偶然のように見えて、実は必然なのである。自分の方に準備が整っていなければ、出会いに気づかないもの。あの有名な柳生家の家訓にもある。

・小才は、縁に会って縁に気づかず
・中才は、縁に気づいて縁を生かさず
・大才は、袖振り合う縁をも生かす

●袖振り合う縁を生かして本と出会おう。今年一年でどんな本と出会っただろうか。

私の場合は、『秘録・華人財閥』(西原哲也著)など、華人経営に関する著作と出会い、華僑という人たちがグーンと身近になった。これは「和僑会」の活動から得たあたらしい本との出会いといえる。

●また、「落語」の世界にグーンと引き込まれた年でもあった。
きっかけは、この「CDつきマガジン 落語 昭和の名人 決定版 全26巻」を読んでから。
→ http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=2790

もともと落語を聞くのは好きだったが、落語家や落語界のことまで興味を持てたのはこの一冊のおかげといえる。

●その他にも何冊か記憶に残る本があるが、魂をゆさぶるような一冊、生き方や考え方を変えるような一冊という点ではもの足りない一年でもあった。それは、ひとえに私自身が成長していない証だろう。成長に年齢は関係ない。あくまで、こちらの力の問題、生き方の問題なので反省している。

●たとえば、『竜馬がゆく』『世に棲む日日』などの司馬遼太郎作品。
『現代の経営』『プロフェッショナルの条件』などのドラッカー作品。
『人を動かす』『道は開ける』などのデール・カーネギー作品。人生計画を教えてくれた『ライフワークの見つけ方』、営業に勇気を与えてくれた『なぜ私は販売外交に成功したか』、経営の神髄を教えてくれた『ビジョナリーカンパニー(1)(2)』、習慣の偉大さを教えてくれた『7つの習慣』、人生哲学を教えてくれた『成功の実現』、上達のメカニズムを説いた『達人のサイエンス』、開業時に助けてくれた『コンサルタントの秘密』、経営数字を教えてくれた『野望と先見の社長学』などは、そのまま私の血肉となった。

そうした良書との出会いを今年も真剣に求めていたかどうか、ということだ。
今からランチを兼ねて書店に行くが、今の自分と決闘するつもりで出向こうと思う。