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勝ち馬

●親父がインターネットで仕事をし、iPhoneやiPadを毎日使っているのをみると、親父離れをしたがる年齢の子どもでも、それなりの敬意をもって接してきてくれる。

●この週末、こんなことがあった。

22歳になる息子に「こんなのがあるのを知ってるかい?」と私が見せたのは、【Akinator】(アキネイター)というiPhoneアプリ。
人工知能を使って相手が想像している人物を的中するソフトなのだが、これが結構すごい。

●私が幾つか質問し、息子がそれに答えていく。
やがて、知らない外国人の名前が表示された。それを読み上げたとたんに息子が、「え~、マジで」と大声をだした。外国人のレゲエ歌手で、日本ではあまり知られていないミュージシャンだという。
今度は、19歳の息子にもやってみせたら、「ブラックオックス」という鉄人28号の敵役を的中し、驚かせた。

●「スゲェ!」と言いながら長男は自分のiPhoneにダウンロードし、友人に電話してそれを吹聴していたようだ。結局その夜は家族全員で【Akinator】に興じた。

実をいえば、私も忘年会で友人から教えられたばかりなのだが、まさしく【Akinator】様様で鼻が高かった。

●「様様」といえば、こんな経営者にもお会いした。

今年、孫に教えられてTwitterを始めたそうだ。しかしフォローしてくれる人がいない。孫にも「まだ10人なの?」と笑われる始末。
孫はすでに数百人のフォロー者がいるらしい。これでは年の功が発揮できない。

悔しいというより恥ずかしくて、Twitter関係のセミナーに出た。
そこで教えられたアプリを使ってあれこれ取り組んだ結果、数ヶ月で3万人のフォローを集めてしまったという。

今度は逆に「おじいちゃん、教えて」と孫が毎日Twitterのダイレクトメッセージを送ってくるようになった。
おじいちゃんとしては【Twitter】様様だという。

●【Akinator】や【Twitter】がすごいのであって、それを教えた人間が立派なのではない。
だから、こういう場合の私やおじいちゃんのことを「他人の尻馬に乗る」というのだろうか。
しかし、尻馬に乗るとは「分別もなく他人の言動に同調して、軽はずみなことをする」という意味だ。

●それに似た言葉に、「勝ち馬に乗る」というのがある。「有利な方につく。勝った方に味方して便乗する」というもの。
私やおじいちゃんが【Akinator】や【Twitter】で自慢したのは尻馬ではなく「勝ち馬」に乗ったからかもしれない。

●そもそも人の成功は「勝ち馬」に影響されること大だと思う。次の4つのいずれかを行うことが成功なのではないだろうか。

1.「勝ち馬に乗る」
話題の人、情報、サービスなどをいち早く取り入れて仕事に活かすこと。お笑い芸人もある程度ベテランになると、勢いのある若手と一緒に番組にでて、勢いを借りるものだ。
例として、タモリ、島田紳助、とんねるず、など。

2.「勝ち馬を作る」
話題の人を発掘・育成し世に送り出す存在になる。
例として、萩本欽一、つんく♂、秋元康、タレント事務所の社長など。

3.「勝ち馬になる」
自らが勝ち馬になること。ずっと勝ち馬であり続けるか、その分野ですごい記録を樹立すれば、そのブランド力で「オンリーワン」の立場を築くことができる。
例として、アカデミー俳優、スポーツの金メダリスト、長嶋茂雄、イチローなど。

4.「自分を貫く」
世間の評価、名声、記録といったものにはまったく興味を示さず、ひたすら自分の世界(芸や道、技、愛、思想、主義など)を追求していくこと。
例として、愛に生きる人、宗教家、思想家、教育者、学者、研究者、芸術家、武道家など。

これらのうち、あなたの成功を拡大してくれるのはどれだろうか。