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がんばれニッポン

「しがらみが多いから」「規制が多いから」「コストが高いから」
「税金が高いから」「チャンスが少ないから」など、”日本がダメだから”という理由で海外で起業しようという若者が増えている。

海外で起業すること自体は大いに結構だが、世界中どこへ行ってもビジネスで利益を得ようとするならば、なんらかの不便さや不自由さがつきまとうものである。むしろ、海外でのビジネスの方が不便であることを覚悟せねばならない。
だから、”日本がダメなので”という消去法的理由だけで海外へ出るのは危険なのである。それに第一、日本はダメではないのだ。

「今、世界で最もビジネスチャンスに満ちあふれているのは東京、しかも都心」とアパグループの元谷外志雄(もとや としお)代表。
日経スペシャル「ガイアの夜明け」11月2日放送分では、東京で繰りひろげられるホテル戦争を特集していた。

2005年に発覚した耐震強度偽装問題の影響で一度は危機に直面しアパグループだが、この事件をバネにかえって強い会社になったようだ。同社の元谷代表によれば、三安(土地、金利、施工費の三つとも安い)の条件がそろっている今の東京、特に都心は、百年に一度のビジネスチャンス。だからいま、買いまくっているという。

★ガイアの夜明け
→ http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber/preview101102.html
★元谷代表
→ http://www.apa.co.jp/outline/outline04.html

過去・現在・未来をしっかりと見通せば、日本国内には閉塞感どころか無限の広野を前にした開放感が感じられるはずだ。

今朝も、こんなニュースを見つけた。

・・・【ニューヨーク共同】
観光や投資の魅力を反映した国のブランドイメージ調査で、昨年首位の米国に代わり、今年はカナダ(昨年2位)がトップに立ったと、米ブランドコンサルティング会社「フューチャーブランド」が7日までに明らかにした。バンクーバー冬季五輪の成功が要因の一つとしている。米国は4位に後退し、日本は6位だった。
11日、英ロンドンで開かれる旅行業や貿易の展示会「ワールド・トラベル・マーケット」で正式発表する。
2位はオーストラリア、3位はニュージーランド。日本は2007年にベスト10入りし、08年は9位、昨年7位と順位を上げている。
調査は観光の魅力や生活の質などが基準で05年に開始。今年は五大陸の3400人の旅行者に意見を求め、専門家の見方も加味した。
米国は昨年が初の1位。昨年の上昇も今年の後退も「オバマ効果」と同社担当者は評している。
ワースト3はジンバブエ、イラン、パキスタンという。
カナダ観光局は「競争の厳しい海外旅行業界でもカナダの観光ブランドは力強く、魅力的で活気にあふれていることが示された」とのコメントを出した。
http://www.47news.jp/CN/201011/CN2010110801000084.html
・・・

この調査結果をみても日本は世界のブランド国である。
また、外国でのビジネスチャンスはアジアだけとは限らないのだ。カナダ、オーストラリア、ニュージーランドやアメリカなどにも充分チャンスがある。もちろんヨーロッパにもあるはずだ。

今回一位になったカナダだが、先週、ある老夫婦が大きな話題をふりまいてくれた。ちょっとテーマから逸脱するが興味深かったので触れておきたい。

・・・【11月6日 AFP】
宝くじで当たった1100万ドル(約8億9000万円)の大半を寄付したカナダの老夫婦が、国内で一躍スターとなっている。
バイオレット・ラージ(Violet Large)さん、アレン・ラージ(AllenLarge)さん夫妻。今年7月に宝くじが大当たりしこの大金を手に入れたが、自分たちは必要なものはすべてそろっていると考え、万が一の時に備えて手元に20万ドル(約1600万円)を残した以外はすべて人に贈った。
夫妻はお金を有効に使ってくれる贈り先をリストアップし、まず始めに家族を、その次に病院や消防隊、教会、墓地、慈善団体などを挙げ、当選金を小切手にして郵送した。こうした決断をした理由について夫のアレンさん(75)は「お金では幸せは買うことができないから」と答えた。
http://www.afpbb.com/article/economy/2773464/6416858
・・・

「じゃあ、なぜ宝くじを買ったんだ」という外野の声もあるが、ここは素直に美談に拍手しよう。

美人なのに、それを褒めても否定する人がいる。
ご本人が自分のことを美人と思っていないから、こちらがいくら褒めても怒るだけ。そんな美人と今の日本が似ている。褒められても無視し、外から批判されると敏感に反応する。

漁船衝突問題は、むしろあの映像を先に中国首脳に公開し詫びを求めてしかるべきなのに、逆に流出したことを中国から抗議されているのが現状だ。
そればかりか、映像流出にへそをまげた胡錦濤主席がAPECに来てくれるのか?などと動揺していたが、今日の昼、中国外務省は主席の訪日を正式発表した。中国がAPECを欠席できるわけがないではないか。

→ http://www.47news.jp/CN/201011/CN2010110801000242.html

今回、日中首脳会談があるかどうかは微妙だが、菅総理や仙石長官が盛んにいう「戦略的互恵関係」とはそもそも何か。

それは、2008年に胡錦濤主席が来日した際、当時の福田康夫総理大臣との間で合意した日中共同声明にうたわれた言葉である。
「日中両国がアジア及び世界に対して厳粛な責任を負うとの認識の下、アジア及び世界に共に貢献する中で、お互い利益を得て共通利益を拡大し、日中関係を発展させること」と声明文にある。

・政治的相互信頼の増進
・人的、文化的交流の促進及び国民の友好感情の増進
・互恵協力の強化
・アジア太平洋への貢献
・グローバルな課題への貢献

を行うとあるが、主張すべきことを主張せずに相手の言いなりになることが互恵ではないことは明らかだ。

★「戦略的互恵関係」日中共同声明文(日本外務省)
→ http://www.mofa.go.jp/Mofaj/area/china/visit/0805_ks.html

日本はダメではない。チャンスに富んだ国である。だが政治力の乏しさによって、日本人が自国のイメージをどんどん落としていく現状だけは何とかせねばならない。