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上海 珍道中

●日本と同じくらい暑かった上海を後にし、昨夜、セントレアに到着した。今日はこの三日間を総括した旅行記をまとめてお届けするが、あまり参考になることはないと思うので、お時間のある時で結構だ。

<9月5日、日曜日>

・午前4時15分起床 外は真っ暗。

昨夜は9時半に床に入ったが11時に目がさめてしまい、その後しばらく寝付けなかった。まさか旅行が楽しみで興奮しているわけではないだろうから、きっと就寝直前に飲んだ風邪薬とユンケルのせいだろう。ともあれ、4時間は眠れたので足りない分は機中で眠ることにしよう。

・午前9時10分 セントレア発 JL883便機内

機内食を断ってコーラを飲みながら『盛大な人生』(中村天風)を読みすすめた。やっぱり天風さんはすばらしい。立ち返るべき原点がここにあると思う。

名古屋から上海までは2時間弱。名古屋から東京に行くのと大差ないほど近い。

・午前10時45分 上海浦東国際空港着

定刻通り到着。荷物をピックアップし、深センから上海入りするZさん(出版社)とここで合流するため一時間ほど時間をつぶすこと
になる。iPhoneや携帯電話の設定やチェックをやっていたら、アッという間に時間が過ぎ、Zさんと無事合流できた。
「どうも、どうも。三日間、よろしく」と互いに挨拶し、「磁浮」(リニアモーターカー)に乗って上海市内へ入る。
本来430キロ出るリニアだが、この日は風の都合か300キロしか出なかった。
その後、地下鉄2号線に乗り換えて「人民広場駅」へ。
今回、日本からネット予約しておいたホテル「K」は駅から徒歩1分の好立地。半世紀以上の歴史がある古いホテルだった。

・午後2時30分 ホテルでRさん(不動産)と合流

タイでビジネスされているRさんと合流し、これで三人が勢揃いした。南京路を通って外灘(ワイタン)まで出向いた。

Zさんにとっては初めての上海で、この川沿いの景色の雄大さに興奮気味。写真を撮りまくっていた。それにしてもiPhone4の静止画・動画の質の高さはすばらしく、私も触発されて撮りまくった。

・午後3時30分 豫園で小籠包

豫園にある「南翔饅頭店」の小籠包とチンタオビールで旅の結団式。
今回の旅の行程などを相談したかったが、他のお客がちゃんと並ばないので腹立たしく、味の覚えがない。苦々しい気持ちで店を後にした。今度はちゃんと並んでいる3階のレストランを使うことにしよう。

・午後5時30分 いったんホテルに戻り、入浴・仮眠

「部屋の様子がおかしい」とRさんが言う。どのようにおかしいのか、三人で様子を見に行ったところ、東西の二箇所の壁に真っ赤な手形のようなものがあった。
人の手にしてはかなり大きい。まるで、大相撲の横綱が押した朱墨の手形みたいだ。
気になるのでフロントに「部屋を替えてくれないか」とRさんがお願いしたら、「交換?Why? 理由は何ですか? 理由もないのに部屋を替えるとお金がかかりますよ。それに今はアッパーグレードの部屋しか空いてませんから、さらにお金が要りますよ」と不満そうに言う。

とにかくそのフロントマンに部屋まで付いてきてもらい手形を見せたら、一瞬にして「OK。部屋を替えましょう。無料でアップグレードします」と申し出てくれた。
詳しくは聞かなかったがあの態度豹変の理由は何だったのだろう?

その一部始終を見ていた私とZさんは自分の部屋がどうだったのか気になったので、お互いに付き添って壁や天井を確認した。幸い、無事だったが古いホテルゆえに何があってもおかしくはない。

・午後7時 夕食会

上海和僑会の皆さんと夕食会。広東料理と四川料理が食べられる人気店で、主に接待で使われる高級感あるお店だった。
本場四川の麻婆豆腐はとくに絶品。情報交換も楽しかった。

Hさんが手配して下さった「万博入場券+中国館予約券+会場までのバス代」がセットになって160元で売っているチケットが手に入ったという。すごくうれしい。
Hさんが仕事中にわざわざ旅行代理店まで足を伸ばして手に入れてくださったレアもので大感激だった。やっぱり持つべきは友だちだ。
「せめて夕食代ぐらいは」、と女性陣の分だけ払わせていただいた。

・午後10時 ワイタンの夜景を楽しんでホテルに戻り早めに就寝。

「武沢さん、風邪でつらそうですよ。早めに休んでください」とZさんに言われた。たしかに明日の中国館でフラフラするわけにはいかない。睡眠時間を確保することにした。

<9月6日、月曜日>

・午前6時起床 タクシーで集合場所へ移動。出発時刻まで一時間以上あったので、近所のホテルで朝食を取ることにした。

三人でバイキングの朝食を済ませ、会計してもらおうとしたら、レストランの責任者の男性が「金は要らない」と言った。宿泊者ではないことを知っているはずなので、金が要らない理由が分からない。
高倉健さん風のあの男性、ひょっとして日本人が好きなのだろうか?それとも我々を誰かと間違えたのだろうか?いまだに理由が分からないが、ありがたく無料の朝食をいただいた。

・午前9時 万博会場到着 開門前から長蛇の列ができている。

だが、我々30人の一行はその大行列を尻目に別のゲートから入場。
中国館に着いてからも待ち時間は30分程度で館内に入れた。
国が威信をかけて作った中国館は評価が高いが、たしかに誰にも文句を言わせない質量がそこにあった。すばらしい!是非機会があれば見ていただきたい。

館内でZさんのiPhoneが鳴った。こんな場所にどこの誰から?と聞き耳を立てていたら、「今から武沢さんに替わりますね」とZさん。
iPhoneを受け取って電話に出てみると、シンガポールに出張中のS先生(通販コンサルタント)からだった。香港、深センでの大仕事を終えられて、つかの間のオフを楽しんでおられる様子だった。
「国際的だなあ」と思った。
我々はいったん中国館を出て、「中国省区市連合館」に入った。
ここには、中国全土から30を超える省や区、市のパビリオンが集まっている。それぞれに競い合うようにして地元をアピールしていた。

「中国館は全部みると半日はかかりますよ」と聞いていたが、その通り。この連合館も含めれば、一日覚悟で行くべきだろう。我々は空腹感に勝てず、16時に退場したが、もし館内に食事休憩できる場所があれば、一日中いたかもしれない。

・午後7時 夕食 火鍋の人気チェーン「小肥羊」でしゃぶしゃぶ

私はここで羊肉と牛肉のしゃぶしゃぶを食べるのが好きだ。三人で何をたべようかとメニューを見ていたら、隣の席にいたカップルの男性の方が「Can you speak English?」と話しかけてきた。
「多少なら」と答えると「お~、すばらしい。じゃあこのお店のことを教えてあげよう」と、食べるべき料理や付けたらおいしいタレのことなどを早口で教えてくれた。あまりにも手際よく説明するので、てっきりオーナーの息子だろうと思ったが、彼らもそのあとお金を払って帰っていったのをみると一般の旅行者のようだ。すごく親切な中国人もいるもんだ。あの英語達者ぶりは帰国子女かもしれない。
しかし、不幸なことに私の発注数量ミスでテーブルの上には乗りきらないほどの肉が出てきてしまった。どうみても三人分ではなく、六人分ぐらいある。
他のテーブルの客もこちらをチラチラ見ている。私は二人に、「ごめん、やっちゃいました」と謝ったら、Rさんは「とにかくがんばりましょう」とねぎらってくれた。
鍋も温まったので、肉をひとくち食べた。Zさんも羊肉をしゃぶしゃぶして口に放りこんだら急にテンションがあがり、「うんめぇ、これ」と箸が猛烈に動きだした。ビールを飲むのも忘れるほど夢中になって食べていたら、テーブルの上の肉がすべてなくなった。

「追加しますか?」と私は得意げに二人に言った。締めのラーメンを鍋に放りこみ、完食!

「マイタン」(お会計)をしてもらって金額をみたら、三人で300元だった。ひとりあたり100元(1300円)。あれだけ食べて飲んで一人100元という安さにあっけにとられた。
このお店、日本では東京・横浜・埼玉・北海道にあり、高級なコースは1万円近くするらしいが、一度食べ比べしてみたいものだ。

・午後9時 マッサージ「H」

以前、「H」に行ったことがあり、好印象をもっていたので、三人で行ってみたら移転していた。
店先にあった移転案内の貼り紙をたよりに歩いて行くが、行けども行けども店がない。それどころか指定の交差点すらない。
近所のホテルで聞いてみたら、タクシーでもまだ20分ほど先にあるという。中国では、店の案内地図をまともに信用しては大変だ。途中が大胆に省かれているからだ。

結局、新しい「H」の場所が分かり、店内に入ってみたが以前とは経営者が変わって違う雰囲気のお店になっていたので、虹橋のバーでクールダウンすることにした。

三人でウイスキーボトルを二本ほど空けて店を撤収。
地下鉄に乗って「人民広場駅」に戻り、構内を歩いていたら、警察官が自動操縦を手に歩いているのとすれちがった。銃口はこちらを向いていたので一瞬からだも顔もこわばった。

・午後11時半 ホテル着 就寝

さて、明日は日本への移動日。帰国前に、上海テレビ棟にある蝋人形館を見てから帰ることにしよう。

<9月7日、火曜日>

・午後3時 解散

Rさんとはホテルでお別れし、Zさんと二人で上海空港へ向かう。
「リベンジしましょう」とリニアモーターカーに乗ってみたら、今度はものの見事に431キロで快走してくれた。

空港でZさんと私はデジカメやiPhoneで撮った画像や動画をコネクションキット(Zさんが深センで買ってきたコンパチもの)を使って交換しあった。
作業終了後、チンタオビールで乾杯し旅を締めくくった。