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進化するA社長の経営

●”長良川の鵜飼船に乗るのが最高の楽しみ”という岐阜のアパレル業のA社長(45)は、数年前に中小企業家同友会に入会した。
そして、ほぼ一年がかりで経営計画書を作り上げた。

「中味はほとんど他社のパクリです」と笑うが、最初はパクリでもそれを忘れるくらいに咀嚼(そしゃく)すれば問題はない。他社の計画でも良いモノは積極的かつ素直にまねた方がよいのだ。

●だがその時、A社長は失敗した。
経営計画書が完成したことに満足してしまい、社内発表をしなかったのだ。それどころか、完成した計画書をどこかにしまい込んで忘れてしまい、その後、一度も見ることはなく計画書はお蔵入りした。

●そんな失敗に懲りた二年目は「経営計画発表会」を開催することにした。同友会の仲間がホテルの会議室で立派な発表会をやっているのに刺激を受けたからだ。
社内の会議室に全員(約20名)が集まり、営業終了後の午後7時から1時間半かけて「経営計画発表会」をやった。

閉会後、となりのうどん屋の二階座敷を借りて懇親会もやった。全員がひとことずつ感想を述べたが、皆が積極的な発言をしてくれて大いに盛り上がり気をよくした。だがこの年、業績は凹んだ。つまり、経営計画書はあまり役立たなかったのだ。

●三年目は近所の公共施設を借りて「経営計画発表会」を行った。
内輪だけの会では締まりがないと思い、来賓を招くことにした。社員も全員がスーツ着用とした。主力取引先や銀行、それに同友会の社長仲間や税理士の先生も招き、緊張感ある方針発表会を開催した。
懇親会もうどん屋の二階ではなく、ケータリングで立食パーティにした。
また、社員全員が提出した個人目標と仕事目標を経営計画書に挟みこみ、それを発表させることで社長の独りよがりの会ではないことを伝えようとした。この年から社員教育にも力を入れ始めたが、この年、会社の業績も社内の雰囲気もあまり変わらなかった。

●「おかしいな、どうも経営計画書がうまく機能していない」と感じたA社長は、四年目に大幅な改善を加えた。経営計画書を手帳型にしたのだ。

株式会社武蔵野の小山社長が提唱しているやり方である。社員全員がこの「経営計画手帳」を使うことによって、朝礼時や会議時に1ページずつでも「経営計画書」を読み合わせできるようになり、俄然、方針理解が進んだように思う。社員の参画意識が少し芽生えてきたように思う。それは、経営計画を手帳型にしたおかげなのか、それとも前年から始めた社員教育の成果なのかよく分からない。とにかく、いろんな手を打ってきた複合効果が出はじめた実感がある。

●五年目を迎えた今年の4月は、今までやってきたことを壊すことにした。

「経営計画を作るのは社長の仕事ではなく社員の仕事だ!」と考え、
『経営委員会』を作り、若手幹部に経営計画作りの手順を教え、社員全員でそれを作ってもらうことにしたのだ。

『経営委員会』のリーダーは役員ではなく若手社員から選んだ。経営は役員だけがやるものではなく、全員でやるものなんだと伝えたかったからだ。

●そうしてできあがった「次世代型経営計画手帳」は前年のものとは比較にならないくらいオシャレな手帳になった。

「意匠委員長」に選ばれた女性がデザインしたこの手帳は、中味もカバーもオシャレになりプライベートで持ち歩けるものになった。

●「まだまだヨチヨチ歩き」という『経営委員会』だが、数年前は社長一人が躍起になって旗振り役を担っていたことを思うと、格段の進歩ではないだろうか。

●このように、うまく行ってないと感じることを改善する。問題に直面し、逃げずにそれと格闘することでその箇所を補強できるようになる。それが経営力の進化だし、A社長の進化はまだ続くようだ。

●「次はなにをやるのですか?」と聞くと、『経営委員会』の役目は経営計画書をとりまとめることだけでなく、その実行状況をフォローしていく役目も担ってもらうという。
私が冗談交じりに、「社長の仕事がだんだんなくなっていきますね」と言うと、A社長は真顔でこう言った。

「武沢さん、私の仕事は三つだけにしたい。それは、経営理念の追求と3年後のメシの種づくり、それに人材育成だけ。それ以外の仕事は社員にやってもらう。なるべくヒマになるのが良い社長だと思うんです」

●「なるほど、じゃあ資金繰りも社員の仕事ですか?」と尋ねたら、「そうです。幸い、うちは無借金なのでほとんど資金繰りらしいことをしなくても会社が回っていますが、必要があれば資金繰りも社員に任せたいですね」とA社長は表情をゆるめた。

●それを聞いて私は思い出した。

そういえば名古屋のB社長は「資金繰りは社員の仕事だ」と言っていた。しかも、それを実践しておられる。その話題も近々書いてみたい。

社長の数だけ悩みがあり、そこに工夫があり、知恵がある。
まだ鵜飼船の楽しさがどういうものか知らない私だが、こういう社長の武勇伝を聞いてきて、それを文章にするのが今の私の楽しみである。

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【編集後記】

◆メルマガ創刊時には読者から感謝のメールをいただくことが多くありましたが、最近は減っていました。昨日久しぶりにこういうメールをいただき、うれしかったです。本文は実名でフルネームでしたが、略称で紹介します。

・・・はじめまして。先日メルマガ申し込みをさせていただいた東京都のSと申します。この度はメルマガの御礼でメールさせていただいております。

私は社長ではなく、コンピュータ会社のサラリーマンです。コールセンターの運営に携わっております。

先日ご紹介の「はとバスをV字回復させた社長」読みました。とても心に響きました。私も線をひきまくりました。わかりやすい言葉で、組織をリードする者のありかた、心構えをおしえていただきました。ありがとうございました。
毎日、メルマガをよむたびに元気がでます。発行大変かと思いますが、これからもよろしくお願いいたします。 S
・・・

はい。がんばります。

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