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続・すごい経営計画

●昨日のつづき。

「高視聴率を誇った大橋巨泉の『クイズダービー』(1976.1月~1992.12月)の人気の秘訣はどこにあるか分かりますか?」と大橋禅太郎さん。
元々、カナダで放送されていた『セレブリティ・ステークス』というクイズ番組を大橋巨泉氏がアレンジ企画したものらしい。ご本家の番組は短命に終わったが、『クイズダービー』の方は最高視聴率40.8%を誇る人気長寿番組になった。

●人気の理由はたくさんあったが、禅太郎さんによれば、出題されるクイズの面白さに秘訣があったという。30分番組で8問のクイズが出されるのだが、その8問を作るために10人以上の放送作家を常時雇っていたという。つまり、選びに選んだ珠玉のクイズだけが番組で使われていたわけだ。

●面白いクイズを出すことができれば視聴率が取れるということを彼らは知っていた。

・面白いクイズを出すことができれば、視聴率が取れる。
・面白いクイズを出すことができれば、視聴者は勝手に答えを考えてくれる(チャンネルを変えない)

・面白いクイズを出すことができれば、社員は勝手に答えを考えてくれる(宿題を与えていないのに)

だから、経営計画書は社長の答えが書いてある冊子ではなく、社員みんなから集めたおもしろそうなクイズ集にしてはどうか、というのが禅太郎さんの仮説。おもしろそうだ。

●たとえば、利益が出なくて困っていたとする。当然社長としては、利益が出る会社にしたいと強く願っているとする。

それをそのまま文字にして社員に語っただけならば、社員には伝わらない。「あ、なるほど、そうなんですね」程度の反応だろう。
何も行動は起きない。たとえ、毎日「利益を出す」と連呼したところで社長の声だけが虚空にむなしく消えていくだけだろう。

だから、クイズにしてみよう。まずは単純に、疑問文にしてみる。

「どのようにすれば、もっと利益が出る会社になるだろうか?」

●これだけで社員の反応が微妙に変わってくる。
「どのようにすれば」は魔法の接頭語かもしれない。

ところが、単純な疑問文だけだと視聴率が取れるクイズにはならないから、次のような魅力的なクイズにお化粧直しする。

「どのようにすれば、業界で一番利益率の高い会社にすることができるだろうか?」

●これでかなり良くなったが、社員にとってはまだ他人事に感じるだろう。そこで社員の利害と一致させた文章に仕上げればグーンと良くなる。

「どのようにすれば、業界一の利益率を達成し、社員の待遇も業界一にすることができるだろうか?」

●これで他人事ではなくなった。もう一度クイズを整理してみる。

・どのようにすれば、もっと利益が出る会社になるだろうか?

・どのようにすれば、業界で一番利益率の高い会社にすることができるだろうか?

・どのようにすれば、業界一の利益率を達成し、社員の待遇も業界一になることができるだろうか?

あなたが社員だったら、どのクイズに反応してしまうだろうか。

●クイズはたくさん集めることができるが、それは社長や社員の問題意識をスタートにする。

社長は次のような問題意識をもっていたとしよう。

・利益がでない
・資金繰りがきびしい
・成長の絵が描けない
・経営理念が社員に浸透していない
・社員からの報告・連絡・相談が全然足りない
・社員に意欲や危機感がまるで感じられない
・コスト意識や利益意識をもってくれない
・自己啓発していないから成長していない

なのであれば、それらを疑問文にしてさらに魅力的なクイズに仕上げてみよう。上記の例にならって答えを真剣に考えたくなるようなクイズにするのだ。

社員から集めた問題意識は次のようなものだったとする。

・仕事がつまらない
・社内の人間関係がよくない
・給料が上がっていない
・突然の残業や休日出勤がある
・有給休暇がとれない
・自分は会社から評価されていないようだ
・最近お客や上司にほめられたことがない
・将来の夢が感じられない

それらも疑問文にして、魅力的なクイズにする。そうして集めた珠玉のクイズ集が一冊になった「クイズブック」こそ社員も社長も熱意を感じざるを得ない魔法の経営計画書なのである。

●そのあとは、少なくとも月二回は3時間以上かけてクイズを解いて実行に移すための「すごい会議」をやる。

そこで作った役割分担と実行計画を毎週一回、一時間程度かけて進捗確認していけば計画倒れに終わることはない。

あとはあなたも、「すごい経営計画」を作りあげ、「すごい会議」を導入して、今のメンバーで目の前の難問を次々にやっつけてゆこう。

★★すごい会議 http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=2445

(「秘伝すごい会議」とあわせて読むのがおすすめ)