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経営指針発表会より

●昨日は「経営指針講座」(2009年冬講座)の最終回。

名古屋駅前の会議室に集まって、毎回2時間半の講義に7回通っていただき、「経営計画書」を完成させるもの。主催は愛知中小企業家同友会。

●私が愛知の同友会で講師を担当して13年になる。
一年に二回講座を開き、毎回25社くらいが集まるので、これまでに延べ650社くらいが受講されたことになる。愛知全体の同友会企業数が約3,000社なので、これまでに5社に1社以上受講していただいた計算だ。

●さて、昨夜の最終回はいつものように「経営指針書」の相互発表を行った。
今回は定員一杯の30社が受講され、24社が見事修了された。その24社が持ち時間3分で経営指針を発表する。あっという間の短い持ち時間だが、この日に備えて練習してきた小嶌社長や小林社長は他を圧倒する見事な発表をされた。

もちろん全員の発表が印象に残ったが、その中から幾つかご紹介してみよう。

●A自動車(株) 自動車整備・販売 社員数26名
・「経営理念」・・私達は人々の生命を守り、豊かさを提供するクルマのスーパーマーケットです。

鈴木社長と二人の弟さんによる三兄弟同時受講という初めての快挙をなしとげたA自動車さん。理念や方針などを三人それぞれが作り、それを毎回一つのものに統一するという過程で、互いの考えの違いが表面化した。だが、その意見衝突が相互理解につながったと語っていただいた。

●(株)Y 住宅資材販売 社員数40名
・「経営理念」・・感動と幸せを泉の如く造り出す

24才で独立し、今年で38年目になるという鈴木社長が、10年後のビジョンを熱く語った。読書家らしく、経営指針の文章もボキャブラリーが豊かで読んでいるだけでテンションが上がってくる内容。

●(有)A看板店 看板制作・施工業 社員数3名
・「経営理念」・・仕事にやりがいを持ち、”粋な職人”の”粋な仕事”による”粋な看板”で街を明るく演出し、社会に必要とされ続ける企業を目指します

特殊看板に強みをもつA社は、父と兄と水谷さんの三人の会社。父は「まだ10年はがんばる」と言っているそうだが、「お前に経営を任せる」と言われるようになるのが氏の目標。

●(株)T精器 鍛造金型の製造 社員数22名
・「経営理念」・・良いものを早く安く。プロの技術者集団として、お客様に必要とされる会社になります。

社長の娘さんという片山さんは新婚ホヤホヤ。社内では経理を担当し、今回初めて独力で経営指針書をまとめ上げた。
父からも内容についてOKをもらい、将来は社長を引き継ぐつもりで経営の勉強をする覚悟。

●Iスクリーン(株) スクリーン製版 社員数4名
・「経営理念」・・私達は、自社に繋がる全ての人に感謝し、共に成長発展を目指します。

「安定成長を目指すので、急成長をしない」という方針も述べられた伊藤社長だが、急成長する商品や事業部を作ることが結果的に安定成長につながると助言させてもらった。

●(有)Hハウス 在宅福祉サービス 社員数160名
・「経営理念」・・一心喜働(いっしん きどう) 社員がベクトルを統一して喜んで働く

最近、町内の役員から「御社は地域の宝」と言われたそうだ。社会に必要とされる仕事をしている実感がある。あとは、コンスタントに利益があがる事業構造にすることと、内部管理力を高めること。

●H ヘア・ソリューション 美容業 社員数4名
・「経営理念」・・世界一すてきをクリエイトする
スタイルを変え、常識を変え、世界を変える。ヘアスタイル、ファッションを通じて新しい価値を創造する。斬新なファッションセンスを持ち、自他共に幸せづくりをめざして社会に貢献する

今回作りあげたこの経営理念が気に入っていて、毎朝スタッフと唱和するのが楽しみだと小林社長。会心の理念が作れたとき、人は自然にそれにこだわりたくなるようだ。

<明日につづく>