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Just stop it !

ナイキの宣伝でスポーツジムに通い始め、ナイキの宣伝でランニングマシンを走りたいと思い、ナイキの宣伝でスポーツウエアはナイキだらけとなった。こうしてみると、私はかなりテレビの影響を受けているようだ。ナイキの宣伝のあとに必ず出てくるあの字幕、『 Just do it ! 』とは、「行動あるのみ」とか「考えるな、やっちゃえ!」という意味がある。スーパースター達にそう言われると、それが素晴らしい精神のように思えるから不思議だ。私もこのメッセージ、結構気に入っている。

ところが・・・。

昨日、とうとう『 Just do it ! 』氏が目の前に表れた。

某企業の経営者の名刺に『 Just do it ! 』と印刷されていたのだ。

武沢「社長、これはどういう意味ですか?」
社長「はい、実はナイキのCMの影響なんですが、気に入ったので我社の今期重点スローガンとしてこれを掲げたのです。」
武沢「なるほど。それは面白い。行動あるのみ、って感じですね。」
社長「そうなんです。うちは10人程度の零細企業なんですが、私ひとりが外を走り回って、他の社員はずっと社内。真面目で良   い子ばかりなんですが、ちょっと世間知らずで尻が重い。“笛吹けど踊らず”というような社内体質があるんです。そんな彼   らを行動的にしてやりたくて。」

こうしたやりとりをするうちに気づいたことがある。

『 Just do it ! 』とは、考えてばかりいるお尻が重い人にとっては
有効なメッセージに違いない。だが、見通しもたてずに意思決定することではないはずだ。世間では、多くのことを望み過ぎて消化不良になっている企業や経営者も少なくない。私もその仲間に入る。そうした人々にとって大切なのは、『 Just do it ! 』(やっちゃえ!)ではなく、『 Just stop it ! 』(やめちゃえ!)の方かも知れない。

マイケル・ポーターは「戦略とは何をしないかを決めることである」と勇気ある断定をした。
この定義を更に肉付けするならば、「戦略とは何をしないか、何をやめるかを決めることである」となる。

私たちは言葉がもつイメージにとらわれてはいけない。「やらない」とか「やめる」という言葉よりも「始める」「貫く」「やり抜く」の方が成功的な雰囲気をもっている。しかし、真に成功的なのは、逆なのかも知れないのだ。

さあ、あなたに今必要なのは『 Just do it ! 』?
それとも『 Just stop it ! 』?
はたまた他?