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経営計画発表会について

●ようやく今日、延び延びになっていたテーマの「経営計画発表会」について書こうと思う。

「経営計画発表会に来てくれませんか」とお誘いを受けることがある。
ありがたいことだし、興味も大ありなのだがほとんどお断りしている。
なぜなら、毎日が発表会参加になってしまうからだ。

●そんな場合でも一応、発表会の翌日にメールや電話でご報告いただくことがある。
「いかがでしたか?」と私が尋ねると、「実に良かった!」という人と、「う~ん、どうもピンと来ませんでした」と拍子抜けしている人とに分かれる。

●社員のノリが良いところは社長もノセられる。たとえば、日ごろからコミュニケーションのとりかたに慣れているサービス会社などでは結構盛り上がるので、「やって良かった」と社長が言う。

●しかし、製造業や建設業など「モノ」や「技術」を対象に仕事している会社だと、かしこまった会議に不慣れな社員が多い。
そうした会社では、社長が経営方針やビジョンを語っても、社員はリアクションを返してくれないもの。時には、小むずかしい顔をして、白けた反応を返してくる。

だが、そんな時でも社長は焦ったり動揺したりせず、粛々とかつ明るく自信に満ちて計画を発表していけば良い。

●ところで、セレモニーとしての「経営計画発表会」は決算期にあわせて毎年必ずやるべきだが、逆説的にいえば「経営計画発表会」にはセレモニー以上の期待をしてはならない。

●たかだが二時間前後の発表会ではないか。

社長の発表を聞いてその場で全社員が興奮し、総立ちになって歓声をあげるような場面を期待したり、鳥取砂丘に水をまくように発表内容が社員の心に浸透していく場面を思い描いていると失望する。

●ほとんどの場合、「経営計画発表会」の会場では何も起こらない。
セレモニーを予定通りにやり終えたという安堵感と、社長らしい仕事をやったという達成感が得られる程度だろう。それ以上でも以下でもない。

●発表会の翌日や翌々日にも社内には、若干の余韻が残ることもある。
だが、翌週になると発表会前の状態にもどる。何もなかったかのように。
唯一残されるのは壁に貼られた今期の目標やスローガンと、社員の机に仕舞い込まれた真新しい経営計画書バインダーだけである。

●そうなった時が社長の運命の岐路である。

多くの社長はそこで失望してしまい、経営計画書を作ったことを後悔する。経営計画発表会も一度っきりでやめてしまい、翌年はやらない。
「うちのレベルでは経営ごっごは早過ぎた」と決めつけて次の開催までに五輪やワールドカップ開催ペース以上の、5年や10年を費やす。

●しかし、一部の社長だけはへこたれない。むしろ、「経営計画発表会」の翌日からが勝負だと考えているので、予定通り二の矢、三の矢を放つ準備がある。

●そうなのだ。「経営計画発表会」にはあまり欲ばった期待をしてはならないのだ。むしろ翌日から繰りだす二の矢、三の矢、四の矢、五の矢・・・の方が大切なのだ。

<明日につづく>