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具現者

●先日、ある通販番組で健康食品特集をやっていた。現代人は平均寿命こそ伸びているものの、野菜不足で不健康になっているということが語られていた。そこへ、ある男性が登場した。
そのメーカーで長年にわたって栄養を研究してきたという40才代の研究主任で、司会者の質問に次々に答えていった。
その研究主任いわく、栄養をバランス良く摂れば健康が維持できるだけでなく、皮膚や髪や歯や爪などの目につくところや内臓、筋肉といった目につかないところまで健康で若々しくなるということだった。

●私は「なるほどなぁ。健康と若さは栄養からなのか」と納得していたが、その直後、研究主任がアップで映されたとき、私は軽い失望を感じてしまった。
緊張のせいなのか表情に覇気がないし、髪の毛も豊富とは言えない状態だった。肌も荒れていたような気がする。彼には気の毒かもしれないが、もっとハツラツとした若手社員を登場させるべきではなかったか。

●『Product of the Products』(製品の具現者、体現者)という言葉があるが、健康を売るには健康な人、若さを売るなら若さのある人、夢を売るなら夢のある人でなければならない。
セールスの場合、何を語るかよりも誰が語るか、どのように語るか、のほうが影響力大なのだ。

●自動車部品を売っている、精密機械を売っている、ビルメンを売っている、設計を売っている、文房具を売っている、というような場合の営業は何を売るべきか。

●やはり夢を売るべきだろう。この場合の夢とは確信である。うちと取引するとあなたが得しますよ、という確信である。
「へぇ、こんな会社が世の中にあったんだ」という軽い驚きと、これからの取引に夢を感じてもらうようなセールスパースンになろう。

●半世紀にわたって日本の企業と個人に人生成功のプログラムを提供してきたSMI(Success Motivation Institute)。
この会社では、なんと「成功」を売っている。成功を売るためのセールスパースンに求められるのはやはり「成功」である。

●「僕のようになれます」「私のようになりませんか」という言い方をしなくとも、そうした生き方をしてきていればそれは言外の香りで伝わる。
セールスパースンの話をどの程度信じて良いか分からないときは、お客は嗅覚を使うのだが、そこでいい香りが出せているかどうかが勝負なのだ。

●先週ご一緒した三好比呂巳(みよし ひろみ)社長は、誰もが認めるSMIの具現者だ。
私も30代の10年間をこのプログラムの販売に賭けた者として、三好社長の代理店の活躍の大活躍ぶりは熟知している。それはSMIの開発者・ポールマイヤーさんも驚くほどのもので、ご自身もSMIの販売以外に別の夢を実現させた。

●それはおじいさんの代から人気だった家業のラーメン店を企業として成功させ、今では30数店舗を有する「揚州商人」のオーナー社長となったこと。しかもこれから100店、300店、500店と大きくしていくという。
同時に、今もSMI組織のトレーナー役も引きうけて、「まずは具現者たれ」と後輩セールスパースンたちにゲキを飛ばす。

●そんな三好社長と私はほぼ同年。先日15年ぶりに再会し、久闊を叙した。
SMIが提唱している「Total Person」(人生の各分野でバランスの取れた成功者)を目指して一段と充実しておられる様子で、私も負けちゃいられないとあおられる思いがした。
氏とお話ししていると、あらためてSMIプログラムに接しているような気持ちになり、自然と気持ちが高揚してくる。
そんな三好社長が私に、一冊の本をプレゼントしてくれた。『成功の選択』(三好比呂巳著)という。
これは、氏が代理店クライアントに送り続けてきたニュースレターを本にしたものだという。

●さっそく読みはじめたが、どこかから持ってきた理論や他人から聞いた体験談などはまったく入っていない。
すべて氏が実際に経験したことや氏の友人知人が体験したことの一次情報で詰まった本である。

そして、SMIの売り込みは一切していないにもかかわらず、この本を書いた三好さんが使っているというSMIが欲しくなる本だ。

●しかもこの400ページにならんとする厚手の本には、ある仕掛けがしてあるので、ついつい先へ読み進んでいってしまう。こんな仕掛けの本には今まで出会ったことがなく、まんまと一本取られた。

その仕掛けについては明日お教えするのでお楽しみに。