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アイデアの活け作り

●昨夜は新橋の小料理屋で秋刀魚の刺身を食した。

これからが夏本番だというのに、早くも根室産のトロ秋刀魚が出始めていて、脂分をしっとりふくんだあの特有の食感は至福。
同じく今が旬のいわがき、マゴチの活け作り、お口直しにさっぱりした谷中生姜(別名:葉生姜)なども食した。

芋焼酎のロックとの相性も抜群で、外国から一時帰国されたというお相手の社長も大満足の様子。魚と野菜はやっぱり季節を感じる旬のものが最高だ。

●旬のたべものが旨いように、アイデアも旬のうちがよい。
新鮮なうちに行動し、手応えや感触を早めにつかんでしまおう。刺身をそのまま放置したら傷んでくるように、アイデアもあたため過ぎは禁物だ。

●アイデアを実行に移すうえで最大の問題は時間である。時間が足りないからついつい後まわしになって、結局、着手すらできないままに腐っていったアイデアがいかに多いことか。

●つまりは、今やっていること、時間を割いていることそのものがネックになっているということだ。
だから、たまには使用時間を調査分析し時間の使いみちをありのまま観察しようではないか。
もっと増やしたい時間はなにか、減らしたい時間はなにか、使いたくない時間はどれか、という具合に考えてみる。

●そのようにして、あなたの新しいアイデアを試すための時間を捻出しよう。週に何時間程度必要かを見積り、その時間を確保すればアイデアは実行に移される可能性が高まる。

●だが、それでもまだ万全ではない。人間は理論的には動かないからだ。感情に支配されている部分が大きい。
何か無駄なことをやめて、せっかく浮かせた時間で別の無駄なことをしてしまう可能性もある。

●たとえば読書時間を増やしたくて寝る前にテレビを見るのをやめた人が、その時間でゲームをやるようなものだ。

そんな愚行を防ぐためには、昼間に10分でも本を読み始めて「あ、この本たしかにおもしろい。もっと読んでみたい」という気持ちを作っておくことである。
「それをやりたい」というテンションを高めさえすれば、私たちは必ずそれをやるものでもある。感情の力は強い。

●アイデアも新鮮なうちに、その場で10分でも5分でも着手しておけば実行に移される可能性がグーンと高まる。
議論はこれ以上要らない。とりあえずアイデアに着手する10分の作業時間を確保しよう。そしてアイデアのプロトタイプ、試作品を作ろう。

それが次のステップに向かう原動力になる。

●活け作りされた魚は、自分が食べられているにもかかわらずヒクヒク動いている。それぐらい新鮮なうちに、手際よく鮮やかに料理してあげることが相手への思いやりというもの。

アイデアもヒクヒクしているうちに料理してしまおう。