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続・時間が解決する?

●最初に読者の方からのメールをご紹介したい。

・・・いつもメール配信を楽しく拝読しております、Kと申します。

4/22 Vol.2138について、意見します。
今回の件については、是非、今まで3年間チャンスをあげてこられた女性社長に今一度、がんばってほしいのです。

病気を伏せていた事については告知義務違反となりえます。しかし、現に採用されたのですから、女性社長から見て何か魅力や可能性を感じたのでしょう。
「おかしい?」と思いだしたのは、業績によるもので、病気が主な理由ではないはずです。
むしろ、病気である社員を適切な内勤とさせた配慮ある女性社長に、誉めて励まして下さい。

「がんばれ社長!」には、たくさんの意味と意図があると承知しています。武沢さんのアングルでは、彼女に彼への決断を促すきっかけを働きかける事が「励まし」だったのでしょう。

私は違います。お給料の面で、まず、本人と低額で同意して書面に残し、金銭面でのストレスを改善します。
そして、市や国が補助してくれる制度を探したり、また、働きかけたりして、今後や現在必ず出てくる問題になりますから、女性社長にがんばってほしいのです。

これは美談でも何でもありません。健康のリスクは誰しもが背負っています。病気になったからといって、チャンスをなくしてしまう日本の社会は「公務・秩序・仕官発展途上国」です。

メディアという社会責任分野におかれる武沢様につきましては、連日、推薦されていらっしゃる「オグ・マンディーノ」の言葉をかり、「ポジティブ言語の連鎖反応」を研究されたらいかがでしょうか。

最後まで私の意見をご拝読頂きましてありがとうございました。
・・・

<武沢より> Kさん、ご意見ありがとうございました。筋の通ったご指摘だと思いますし、私も自分の意見の偏りに気づくことができました。しかし、昨日号の女性経営者に関しては、助言を変更・修正する必要はないと思っています。なぜなら・・・。

●病やケガで仕事に就けない人たちのことを憂慮し、懸命になって雇用し、周囲にも雇用を訴えておられる立派な社長を何人も存じ上げている。
優秀な人を欲しがるのはどの会社も一緒だが、社会的正義を重視する社長のなかには、あえて入社希望のあった順に採用するという方針をとったり、あえて就労弱者を優先的に採用している会社もある。

●そうした社会的責任感が強い経営者が増えることは大変すばらしいことだと思うし、そうした社長のこともどんどんメルマガでご紹介していきたいと思う。

●だが、昨日号で私が指摘したかったのはそういう話題とは別の問題である。
病をもっていることを告げずに入社した社員。それに当惑する善良な社長。
面接でその社員に魅力があったというよりは、地方の無名零細企業にまじめそうな大卒の30代男性が応募すること自体が希有なことだったから。その女性社長は飛びつくように採用したという。

●ところが彼は働けなかった。

内勤に回したが内勤希望者なら今までも引く手あまた。すでに労働分配率が70%近くもあるこの会社、人員過剰の状態が続いていた。だからこそ営業を強化しようと彼を採用したのに、営業ができなかった。
その半年後、別の営業社員を採用することになった。

●でも「彼を助けるんだ」という情熱があるのなら、きっと私に相談してこなかったと思う。むしろ誇りにしたはずだ。

だが彼女の表情は誇らしいものではなく、あきらかに困っていた。苦悩に近い顔だった。それは「アンフェア」が引きおこした問題である。

●だから私はこの女性経営者への助言を変えるつもりはないが、Kさんの意見でハッと気づかされることがあったので補足せねばと思う。
それは、選択肢として次の三つをあげたが、それに一つ加える必要があるということ。

1.即刻または近日中に解雇する
解雇するにあたっては社労士の先生と充分に協議して、不当解雇の疑いを払拭しておく。

2.期限を定めずに彼の回復を待つ
これもなにかの縁、と割り切って彼を雇用し給料を払い続ける。
ひょっとしたら本当に彼が将来化けてくれるかもしれないし、期待はずれになるかもしれない。

3.彼の回復を待つが、最終期限だけは切っておく
3ヶ月とか6ヶ月とかの時間を与え、彼に進路選択させる。
その間に会社に残って業績貢献する方策を見つけるもよし、会社を去って次のことを準備する時間にするもよし。今のままの健康状態、勤務状況のままでは、○月○日以降は雇用契約を継続する意思がないことを明確に伝える。
この中には、出来高払いの在宅外注社員として縁を残す方法も含まれる。

●加えるものはこれ。

4.健康状態に見合う雇用条件を提示する
彼の技量や職務にふさわしい仕事を担当してもらい、それに見合った報酬条件を提示する。
また相手が望むなら、生活支援も含めた行政窓口との接触も応援してあげる。

以上である。