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商談の科学 その3

夏の前触れを感じさせる季節となりました。暑さ対策を万全にして、この夏も、しっかりと乗り切りましょう。さて「がんばれ社長!」、今日のお題は先週の積み残しテーマ『商談の科学』から、その3をお届けします。過去2回のバックナンバーはこちらです。

http://www.e-comon.co.jp/SampleE-comon/daily/0011.htm

<おさらい>
営業マンが現場でどのような商談をしているか、社長としてそれを把握しておられるだろうか。商談というブラックボックスに光を当て、科学的に解明しつつ、それを強化しようというのがこの稿の目的だ。次にある五つの商談ステップのうち、今日は(3)からの再開となる。

(1)オープニング
(2)インタビュー
(3)商品説明
(4)クロージングと反論処理
(5)契約と紹介獲得

(3)商品説明

商談の目的は、お客に購買を決定してもらうことである。お客が購買という行動を起こす時とはどんな時か?
それは、
・営業マンが言葉巧みに顧客を説得し、契約に成功した時ではない。
・営業マンの押しの迫力に圧倒されて、顧客が根負けした時でもない。
・営業マンの人間性をアピールし、安心と信頼を勝ち得た時でもない。

真実の購買とは、
顧客が、自ら望む利益を手にするための方法論として、提案された商品・サービスを利用することが良いと分かったとき、顧客は自ら進んでそれを利用したがるのである。

従って、あなたが商談を成功裡に終えるためには、次の三点をきっちりとマスターすることである。

1.「オープニング」と「インタビュー」のステップで、顧客が今一番望んでいることや一番困っていることを聞き出す技術を高   めること。

2.それを手に入れるための方法論として、あなたの製品やサービスを利用することの価値を語れるようになること。

3.商談は一発で決め、紹介も一発で得ること

一撃で仕留めるべきときに、なぜ次回を約束してしまうのか?それはクロージングと反論処理の技術の問題だが、同時にそれは商談の哲学の問題でもある。

(4)クロージングと反論処理

商談の哲学、それは、一回で決めることに美学を持つことである。大人が二人も時間を割いて話し合い、「それじゃ、ゆっくり検討しておくからね。」という結論だけは絶対に避けなければならない。顧客にそれを言わせ、あなたがそれを許可した瞬間があなたの敗北だと言えよう。

もちろん、案件によっては一回で成約に結びつかない仕事も多い事は承知している。だが、“今日の商談”には、今日のゴールが必要であり、そのゴールに到達すれば“今日の契約”なのだ。そのためには、今日はどの段階に到達すれば良しとするか、を事前に決めておくことが大切になる。

今日の言葉を見直してみよう。

「失敗はつらいものだ。しかし、成功しようともしないのはもっと悪い。」セオドア・ルーズベルト(米国の大統領)

今日の商談で成功しようと思っていない営業マンがいたら、呼び止めて問いただそう。「今日の成功は何か?」と。

<閑話休題>

クロージング段階に入る、ということは、「さあいよいよ金銭面の交渉や支払方法など、話が別のステージに行きますよ」ということだ。初対面からこの段階までのあなたの顔は、インタビュアーであったり、技術者であったり、専門家であったものが、突然、ビジネスライクに変身するのである。一見すると、この場面から別人格が求められるかのようだが、そうではない。この場面こそ、あなたが今まで顧客に見せてきたすべての誠意を表現するラストチャンスなのである。バッティングフォームはキレイなのだが、ヒットは打てない、という選手は通用しないように、説明は上手だがクロージングが下手、というセールスマンではプロになれないのだ。

<明日この稿、最終回>