★テーマ別★

人は石垣 人は城

まずクイズ。
1.日本企業の社員研修費は、社員一人あたり年間幾らか?
次の中から近いと思うものをひとつ選べ。
ア.3,200円  イ.32,000円  ウ.320,000円

2.あなたの会社の社員研修費は、社員一人あたり年間幾らか?
ア.10万円未満 イ.30万円未満 ウ.30万円以上

当然、「1」には正解があるが「2」には共通の答えはない。

メルマガを書くために何かのテーマについて調べものをしていると、予期せぬものが見つかることがある。その結果、当初の予定とは異なるテーマについて原稿を書きたくなるときがある。今日もそんな日である。

今朝、興味深いデータを発見した。資料元は『2014年度教育研修費の実態調査』(産労総合研究所)というもので、さっそくダウンロードして読んでみた。

まず、気になるクイズ「1」の正解だが、その資料によれば、「32,010円」である。これは『企業と人材』などの機関誌を発行している産労総合研究所が1976年より毎年行っている【教育研修費用の実態調査】(2014年度)というもの。

資料はこちらのホームページからダウンロードできる。
http://www.e-sanro.net/jinji/j_research/j_research05/pr_1410-3/

さて「32,010円」という数字をあなたはどのように受け止めただろうか。「そんなに使ってるの?」と驚かれた方もいるだろうし、「そんなに少ないの?」と拍子抜けした方もいるはずだ。でも存外、一番多いのは「感想なし」かもしれない。ピンとこないというわけだ。

この調査は産労総合研究所の会員企業から抽出した約3,000社にアンケートをとり128社の回答を得て集計したもの。

研修費に含まれるものは次のとおり。
・正社員を対象とした自社開催研修の会場費、宿泊費、飲食費
・外部講師費
・教材費
・外部教育機関への研修委託費およびセミナー・講座参加費
・eラーニング・通信教育受講費
・公的資格取得援助費
・研修受講者・社内講師の日当、手当、交通費
・事務局費
・その他、これら以外の研修教育に必要な費用
(ただし、研修受講者・教育スタッフの人件費は含まない)

私は自分のセミナーなどで「まず社員一人あたり10万円を確保し、それとは別に社長や後継者育成の研修費は年間100万円用意しよう」と申しあげてきた。つまり社長と後継者育成に100万、社員に10万円×人数分(仮に20名なら200万)。合計すると300万円になる。その上で営業利益が売上げの5%以上だせる経営をめざそう、と。

ただし、投資対象者は選抜せねばならない。やる気100%の社員と50%の社員を同列に扱う愚はさけるべきである。教育費用はおもいきり不平等に使うべきもので、その選抜基準は社長の一存ではなく「評価」と「面談」で決められるのが望ましい。

筋金入りの若者を採用し、充分な研修教育をほどこし、生産性の高い仕事をさせる。そうすれば企業収益はグングン向上する。その反対に、素質の乏しい人を採用し、研修教育はほとんど行わず、ずっと同じような仕事をさせ続けよう。すると収益はみるみる低下し、自分の給料を稼ぐだけで精一杯の社員集団になってしまうだろう。

「人は石垣 人は城」と武田節で唄われるが、人を育てることができる組織は強い。

最後に、こんな調査結果をご覧に入れよう。社員ひとりあたりの研修教育費が多い企業のランキングである。やはり上位企業はしっかり教育費が使われているし、商社や医薬など国際舞台で活躍してもらう人材には多くの研修教育費が使われていることもわかる。

https://career.nikkei.co.jp/contents/hataranking/03/