未分類

死生観

この17日に予定されている、政府による“景気底入れ宣言”。まだまだ大本営発表に近いのではないかと思っている。まだ景気回復の実感が伴っていない。その証拠に今、断っても断ってもお客が押し寄せる所がある。バブル絶頂期のマンションメーカーのようにお客がやってくる。それは、法律事務所だ。しかもその半数は、経済的行き詰まりから訪れる個人ならびに経営者だという。

名古屋の某法律事務所・T事務局長は、企業相談の概要を克明にノートに記録してきている。それによると、会社を破綻させる経営者は、5つの破綻理由のどれかに必ず当てはまるという。その5つとは、

1.経理を奥さん又は他人任せにしている。
数字に弱く、決算書が読めない・読まない

2.本業の経営にしっかり腰を据えていない
本業以外の活動に多くの時間や関心を割いている

3.ナンバー2を育てていない
社長がいないと成り立たない。組織とは呼べない状態。

4.社長が従業員を信頼していない。
従って従業員も社長を信頼していない。パートナーという関係ではなく、疑心暗鬼の労使関係でしかない。

5.経営者として夢がない、あっても語れない。
夢が語れない限り、自社の存在意義も語れない。従って優秀な人が入ってこないし、定着しない。

適者生存の原則から見れば、破綻企業が多いことは決して悪いことではない。冒頭の吉田松陰の言葉にもあるように、生きて大業をなす見込みがあれば、万難を排して生き残りを計るべきだろう。だが、大業の見込みなく、生き残りだけが目的となってしまった企業であれば、淘汰されてしかるべきだ。そして経営者や社員は、捲土重来を期して再スタートを切れば良い。

いずれにしろ、T事務局長が提唱する5要素は、きっちりとクリアしておこう。同時に、松陰にみられるような死生観とでもよぶべき、悟りをもつことが、大業をなす上で重要だと思う。

「死は恐るべきでも憎むべきものでもない。生きて大業をなす見込みがあれば、いつまでも生きればいい。死して不朽の見込みがあれば、いつ死んでもいいのである」(吉田松陰