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中小企業経営者とニュースの関係

●都銀がどんどんメガバンク化して、いよいよ彼らは中小企業を融資対象にしなくなるという話を聞いた。
経営者も今まで同様、旧・都銀をメインバンクにしていて大丈夫なのか?という問いかけをしていかねばならなくなるだろう。

●500万や1000万円程度までならメガバンクでも支店長決裁で貸してくれるのだろうが、命がけの中業企業にとって、そんな腰の引けた相手をメインにつき合うわけにはいかない。
やはり今後のメインは勝ち組の地銀や信用金庫になっていくだろう。

●経営環境は刻々と変わっているのだから、経済紙と全国紙、地方紙の見出しくらいは私もチェックしているが、ときどき、「武沢さん、金融市場の混乱はおさまりますかね?来年の日本経済はどうなるのでしょう?」

などと聞かれてドキッとすることがある。

●そんなときはあっさりと「いやぁ、予測する立場の人間じゃないので、よく分かりません」と答えるようにしている。
本当に分からないし、来年がどうなろうともそれに対応していくだけだ。

●経営者は、マスコミが報道する情報に精通するよりは、新聞の大見出し程度の知識しかないほうがかえって良いと思っている。

政治や経済に強く興味をもちだすと、かえって良くない。
木を見ることに夢中になり、森が見えなくなるからだ。

●そもそもニュースで報じられるテーマは、すべて「相手」の問題である。私が興味があるのは、「こちら」の問題だ。

「経営とはいかにあるべきか」とか「社長はいかにあるべきか」ということに興味がある。
だから、テレビをみるときも、番組検索機能をつかって、「経営」、「ベンチャー」「中小企業」「儒教」「仏教」「宗教」「道元」「座禅」「断食」などのキーワードに該当するものだけを録画し、チェックしている。(お笑いと旅行もキーワードだが)

低視聴率番組にすばらしい番組がたくさんあることに驚く。

●来年が好況になろうが不況になろうが、いつだって会社経営は厳しいものである。

とくに中小企業は、過去において一度も経営に余裕があったときなどなく、不況期には不況型倒産の危機があり、好況期には好況型倒産の危機があるだけだ。

●だから、経営者はお客と自社が良くなることだけをたえず考えていたいものだ。
政治や経済のニュースを漫然とみるのではなく、お客と自社にどんな影響を及ぼすかというリトマス試験紙をもって接しよう。

●政治や経済の一般論を語れなくても少しも恥ずかしいことではないが、お客のことを知らない、自社のことを知らないというのは恥というより怠慢となる。

●「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」(孫子)だが、「敵」とは、お客のことであり、お客を取り巻く市場環境のことである。

大所高所、客観的にお客や市場の動きを観察し、感じてみよう。それには、新聞は大見出しまで。
あとは現場。お客に会いに行って直接感じてくるのが一番である。
それに勝る情報はない。