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Wish List 余話

現代は情報過多の時代とは言われるものの、まだまだ知らないことがたくさんあるものだ。

先週の土曜日、ある出版社を訪問したとき、編集長から「こんな本がありますよ」と紹介された。その本を手に取るなり、思わずその存在に驚いて「うっそ でしょ!あったのですか!」と叫んでしまった。

今まで私は
・・・「Wish List」を作りましょう。それには、アメリカ人女性が書いた『The Wish List』という本を参考にしてはいかがですか。英文なのが玉にきずですが・・・

という話を各地でしてきたが、今後は修正せねばならない。
そう、『The Wish List』に日本語翻訳版が存在したのだ。

邦題のタイトルは『4001の願い』という。

The Wish List(英語版)

4001の願い(日本語)

翻訳者がまたしびれる。

日本人初の宇宙飛行士・向井千秋さんと、そのご主人向井万起男さんの共訳なのだ。この本を訳すのに、これほどふさわしい方はいまい。

原作者のバーバラさんは、前書きでこう書いている。

・・・もし、あなたの願いが叶えられたら、あなたは今とは全然違う世界にいるかもしれません。ひょっとしたら、月ほどもかけ離れたところまで行っているのかもしれません。でも、あなたの願いによっては、そこの角までちょっと歩いてくるほどの変化しかしなかったかもしれません。(中略)どちらにしても、願いを抱くということは素晴らしいことです。・・・

著者のバーバラさん自身も、本当に “月ほどかけ離れたところ” へ行った人から翻訳の打診が来たときにはびっくりしたことだろう。

また訳本の前書きで、千秋さんはこんなエピソードを紹介している。

千秋さんがNASAで仕事をしていたころ、友人の見舞いに病院へ行った。
早く病院に着きすぎたので売店で時間をつぶしていたときにブックコーナーで『The Wish List』と出会った。
著者のバーバラの願いが淡々と箇条書きになっているだけのこの本に、千秋さんは最初驚き、やがて徐々に引き込まれていったという。
そして、この本を買い求め、お見舞い相手の友人に見せたところ、友人はしばらく黙読してこう言った。

「病気になったせいか、初めて人生のことを深く考える気分になった。この本はその参考になる」

その本をプレゼントし、帰り道、千秋さんは大型書店に立ち寄って『The Wish List』を2冊買い求めることにした。
1冊は自分用に、もう1冊は日本にいるご主人に送るために。

やがてご主人との国際電話でこの本の話題がよく出るようになり、ある日、「この本を翻訳して日本に紹介しよう」と相成った。そして、2002年5月、日本の書店に彼女たちの翻訳本が初めて並んだのだという。

それから6年近くになる。
今まで私は幾度となく『The Wish List』英語版の存在をメルマガや講演、非凡会などで語ってきたが、ただの一度も「日本語版がありますよ」という話を聞いたことがなかった。日本語版を出版した文藝春秋社に友人がいないからとは言え、不思議に縁がなかった。

しかし、神は必要な時に必要なものを与えるのだろう。

2月22日(金)に「がんばれ社長!」経営ゼミナールを初開催した翌日に『4001の願い』と出会った。
今後は、ゼミナールでこの本をどんどん紹介しろ、ということなのだろう。受けて立つ つもりだ。