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賃金方針を示そう

大企業を中心に日本の企業業績は好調だという。
しかし、世界同時株安という何とも不穏な雲行きでスタートした2008年。経営者が集う賀詞交換会なども、新年とは思えないほど暗雲たちこめるムードだったという。

先行きが読めないのは毎度のことかも知れないが、今年ほど読みづらい年もなかろう。
そうした中、待ったなしでやってくる2008年春闘。賃金上昇がどの程度の規模になるのか、経営者として春闘に無関心ではいられない。

そうした中、日本経団連の御手洗会長と連合の高木会長が昨日、都内で会談し、いよいよ今年の労使交渉が事実上スタートした。

まず連合の高木会長は、「個人消費が盛り上げる処方箋として賃金引き上げが必要」と、昨年を上回る賃上げを求める姿勢を強調した。
一方、経営側の御手洗会長は、「賃金は各企業の付加価値額に応じて決めるべきだ」と述べ、一律の賃上げを牽制したという。

外需依存率が高い日本としては、内需、つまり国内の個人消費回復が緊急テーマであることは労使ともにわかっている。

だから賃上げすべきなのだが、日本人の賃金水準はすでにアメリカと並んで世界一。EU諸国のそれを大きく上回っている。製品サービスの国際競争力という観点からみれば、これ以上の賃金上昇は抑制したいのが経営側。

だが、その賃金で何が買えるかという「購買力平価」で見たとき、日本人の購買力は欧米諸国よりも数十パーセントも見劣りするというデータもある。

つまり日本は、世界一人件費が高い国なのだが、給料の使い途は欧米よりも乏しいというのが現状なのだ。
しかも、気になるデータがもうひとつある。
それは年間何時間働いてその給料を得ているか、というもの。構造的に日本企業は長時間労働が前提となっており、それも手伝って個人の豊かさの実感が得にくい状態なのだ。

だから今、給料アップの道を取るのか、それとも人件費の上昇を抑えて賃金以外の部分で待遇改善を計っていくのか、悩ましい選択ではある。

今後、春闘では互いに駆け引きしながら妥結点を見いだしていくのだろうが、長期的にみれば、経営側も労働側も納得できる答えはひとつしかないはずだ。

それは、生産性の向上である。

「給料を上げましょう。労働時間も順次短縮していきましょう。その代わり、社内が一丸となって生産性向上(一時間あたりの粗利益向上)に取り組みましょう。そうすれば、給料を上げても粗利益に占める人件費の比率は下げることが可能です。そのためには、私たちはアジアや南米、アフリカなどの新興国と同じ仕事をしている訳にはいきません。もっともっと付加価値の高い仕事がやれるような高度社員集団になっていく必要があります。それでいいですね」

というくらいに、社員も経営者も互いに覚悟を決めねばならない。
春闘は、単なる目先の分捕り合戦であってはならないのだ。

さて、あなたの会社の賃金問題。

マスコミや大手シンクタンクが発表する賃金データの多くは大企業のもの。そのままでは、中小企業経営の参考にはならない。

中小ベンチャーには中小ベンチャーの考え方とやり方があるはずだ。
そもそも賃金とは多分に相対的なものである。同業他社との比較や、地域内での比較、あるいは同世代間での比較でみなければならない。

今の自社の賃金水準はどの程度のものなのかを相対的に理解し、今後の対応を決めていきたいものである。

私が中小企業経営者にもっともおすすめしているのは、北見式賃金研究所の所長、北見昌朗氏とそのグループがもつデータとその応用手法。

同グループが独自に集めた中小企業の賃金データは一万社以上にのぼる。まったく他の追随を許さないデータ量を誇る。
しかもそれが、地域単位、業界単位、社員規模単位、都道府県単位で分かるようになっているという。

その北見所長が、日本一の異業種交流会「清話会」に招かれて講演するというのであなたにおすすめしたい。
東京、大阪での開催となるが、中小ベンチャーの経営者や人事責任者にとっては、またとない機会だろう。

清話会での北見所長講演 http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=1044

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北見式賃金研究所 http://www.tingin.jp/