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合宿に集まった同志たち

週末の連休を利用して、自社の「経営マニフェスト」を作り上げる合宿を名古屋市内の研修所で開催した。

大好きなゴルフや家族サービスをあとまわしにしてでも参加したいという20社の社長は、それぞれ超本気。
参加目的は「将来のためのお勉強」などと甘っちょろいものではなく、今の局面を切り開くための実践的なアイデアを求めてのもの。
一人一人の方と対面し、参加目的を聞いてみた。

Aさん(女性)はFP(ファイナンシャルプランナー)の資格をとった。だがそれだけでは仕事がないのでコーチングを勉強した。
FPの資格をもったコーチならおもしろいことができそうだ。

だが、それでも仕事はなかった。

試行錯誤の末、自分の経験を活かして、女性が起業するのを支援する”起業支援コーチ”の仕事を始めた。そして、コンサルテーションやセミナー開催、執筆などが自分にあっているだけでなく、社会的にも必要とされていることがわかった。
だから今年、思い切って自営を卒業して会社を設立することに決めた。
だから、この合宿に参加して自社の計画を作りあげるのだ。

半世紀の歴史をもつB社は、長年、借金体質・赤字体質が続いてきた。B社長(50才、男性)は、先代から経営を引き継いで5年目になる。就任当初は、社員に危機感を訴えながら改革を進めてきた。その甲斐あって利益体質になってきたが依然として借金は減らない。
もっともっと利益を増やさないと借り入れ返済が進まないのだ。

そこでB社長は考えた。

「危機感をあおるだけの改革では限界がある。社員に夢と希望を与えねばならない。だから自分もビジョンや経営理念を作ろう。だけど、所詮、なにを言ったところで自分の頭のなかは借金返済の四文字以外はない。それ以外のすべては絵空事に思える。そんな自分が、どのような経営理念やビジョンを作れば社員を鼓舞できるのか」

その答えを求めてこの合宿に参加した。

C社長(男性)はサラリーマンだった47才の時、人生の転機が訪れた。取引先の社長と仕事の延長で付き合ってきたのだが、やがて互いの人柄に惹かれあっていった。あるとき、相手の社長がこう切り出した。

「オレの会社を継いでくれないだろうか」

後継者がいないという事情はわかっていたが、自分をそこまで買ってくれていたとは、正直、驚いた。だが安定したサラリーマン生活を捨てる覚悟はできていなかった。家族にも理解を得なければならない。
そして、ある日、Cさんは人生を変える決断をした。
「引き受けます」と社長に返事をしたのだ。

「すまん。恩に着る」
相手の社長もうれし涙というか、感動の涙を流してくれた。

あれから3年たった。株式もすべて買い取り、経営体質も改革した。
社員のためにも、元・社長のためにも、そして家族のためにも、もっと夢が描ける会社にしたくてこの合宿にやって来た。

建築職人のリーダーとして職人たちを率いてきた28才の若者D君が勤務先の社長と衝突した。
あまりに自己中心的な社長に抗議したところ、売り言葉に買い言葉でクビを宣告されたのだ。

やむなく有限会社を設立。見よう見まねで社長になった。
4年目になる今年、彼を慕ってきた職人たちのためにもしっかり仕事を作ってやらねばならないが、業界は今不況。
会社をこれからどうかじ取りすべきか、迷いを払拭したくてここへ来た。

相続トラブルがあったおかげで親戚縁者は頼ることができない。
だから製造業を営むE社長(男性)の会社は後継者問題に頭を痛めている。息子もいないし、社員の中にもなり手はいない。幸いまだ彼は49才なので時間はあるが、このままでは我が社の歴史に幕を閉じる役目を自分がしなければならない。それだけは何としてでも避けたい。

鋳造品仕上げに関する特殊な技術がある。安易に清算などしたくない。
だから、究極の後継者対策、それは会社を魅力的にすることだと考えてE社長はこの合宿に参加した。

大手ゼネコンを退職し、会社を設立したばかりのF社長(45才、男性)。
全勢力を打ち込んで作り上げた「経営マニフェスト」が師走に完成した。その直後、大手商社に転職が決まっていた人材と遭遇。すっかり意気投合した二人なのだが、彼をスカウトしたくても、それが可能なだけの財力がないF社長は、素直に財政難である現状を告白しながらも、自社の「経営マニフェスト」を彼に見せ、夢を語った。

「二週間時間をくれ」と人材。
二週間後、彼が会いにきた。そして告げた。
「あなたの元でやりたいと思う」

F社長はその回答を聞いてびっくりした。同時にすとんと腹がすわった。彼のためにも「経営マニフェスト」の内容をさらに掘り下げねば。
そのために合宿に申し込んだ。

Gさん(32才、女性)は社会保険労務士の資格をとって三年目。
ある日、公的機関の依頼である会社の社長を応援しにいった。

社員の働きぶりに難癖をつけて給料を払おうとしない社長の横に座って、目の前の社員から言質をとっている彼女。なぜこんなひどい社長を応援して、素直な社員をいじめるのか。そんな自分が悔しくて、帰りの地下鉄で人目をはばからず泣いた。

「こんなことをするために私は資格を取ったのではない。本当に応援したい人だけを応援できる自分になりたい」と新しいビジネスモデを作るために合宿に駆けつけた。

他にも多士済々の社長たちが集まった合宿。
初日夜のビールバズ(缶ビールを飲みながらのグループ討議)は午前2時まで続いた。しかも翌朝は6時半には起床し、会議室に集まって30分間の読書タイム。各自が持参した本を読む。

ふだん、ほとんど本を読まないというH社長は息子から借りた「ホームレス中学生」を読みふけった後、「読書っていいものですね」。

一泊二日、正味13時間程度の計画作業と数時間の議論だけでは満足いく答えが出たとは思えない。だが、それぞれに確信と糸口はつかんだはずだ。
「自分の考えは正しかった」という確認ができた社長もいれば、参加するまでは予想もしていなかった決断を下した社長もいる。

計画には決断が伴う。だから経営者はじっくり計画する時間とそれを聞いてくれる同志(経営者仲間)が必要なのだ。

20人以内の社長合宿をやろう。

「がんばれ社長!」からお知らせ——————————–

あなたも『経営マニフェスト合宿』に参加しませんか。

事前と事後の宿題も含めて一泊二日の体育会系缶詰めで会社と個人のマニフェストを完成させます。

取り急ぎ、合宿の日付だけが決まっていますので、ご興味のある方は手帳にお控え下さい。正式な募集開始は2月上旬になる予定です。

・東京合宿・・・ 5月1日、2日
・名古屋合宿・・ 7月12日、13日
・大阪合宿・・・ 8月23日、24日