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他社に弟子入りする社長

「もうちょっとサラリーマン経験をしておけばよかった」と言う社長がいる。
会社運営上のノウハウがよく分からないからだという。もちろん、本やセミナーで会社運営の勉強ができるとはいえ、実際、その雰囲気がつかめないというのだ。

だったら社長をやりながら、他社に自分をレンタル移籍すれば良い。
期間限定の弟子入りだ。

「そんなの机上の空論だよ」

とは言わせない。

秋田県を代表するWEB制作大手「株式会社トラパンツ」の長谷川敦社長(34)は、今週から他府県のWEB制作会社に弟子入りするというのだ。

社長が他社に弟子入りする。しかもその期間は一ヶ月の長きに及ぶと聞いて、先週末、長谷川さんに会いにいった。

以下、その時のやりとり。

武沢:お久しぶりです。来週から弟子入りするそうですが。

長谷川:はい、その通りです。すでにマンスリーマンションも契約済みです。
武:すごい気合いですね。弟子入りを受け入れてくれた相手会社とは?
長:実名はちょっと控えたいので「A社」としますが、東北でも随一のWEB会社で、超有名プロ野球選手の公式サイトを受注したり、とにかく勢いのある話題の会社です。
武:昔からのお知り合いですか?
長:いいえ。何年か前に当社が新聞で紹介され、それをご覧になったA社長からメールをいただいたのが出会いです。
それでこちらも注目していたのですが、その後、A社がグングン成長していかれるので、私から出向いて時々お話をうかがっていたというわけです。
武:グングン成長?
長:はい、たしかこの5年で10倍くらいにはなっておられるはずです。
それだけでなく、社長の年令が51才と、この業界の中では高齢の部類です。武沢さんとそんなに変わらない年令の方がWEB企業を率いていること自体が珍しいのに、そん
な中で急成長されるのには、なにか秘訣があるに違いないと思うのです。
武:当然何かの秘訣はあるでしょうね。
長:はい。秘訣とは言っても、技術的なノウハウとか個人的なコネクションとかの、目にみえるものではなく、中に入らないと分からない組織運営上の秘訣があるに違いない
と私は思うのです。
武:なるほどね。それで長谷川さんはA社で何の仕事をするのですか?
長:なにを任せていただけるかはまったく分かりません。とにかく自分でやれることは何でもやろうと思います。
武:それにしても他府県とはいえ、A社長は同業他社の社長の弟子入りをよく受け入れてくれましたね。
長:バーでお酒を飲みながら、突然切り出しました。
「僕を一ヶ月弟子入りさせてください」とストレートにお願いしたのです。一瞬、ためらわれたというかビックリされた様子でしたが、すぐに「ま、いいだろう」という
感じで許していただけました。それで翌日、A社長の気が変わらないうちに不動産屋へ行って、すぐに賃貸マンションの契約を済ませました。

「A社長から学びたい」という長谷川社長。だが、彼のトラパンツだって、最近倍倍ゲームで成長し、この4年で三度オフィスを拡張している。

長谷川社長が不在になることで、残されたトラパンツのスタッフはどんな反応なのか?
A社の役員やスタッフはやりにくくないのか、など、これから聞いてみたいことがたくさんある。

ひとまず、こんなすごいアクションがあるという事例のご報告まで。
できれば、この続報もお伝えしたいと思っている。

株式会社トラパンツ http://www.torapants.co.jp/
トラパンツに関する過去記事
http://www.e-comon.co.jp/magazine_show.php?magid=1189

<訂正>

・博多非凡会 11月1日(木)の開始時刻は午後6時半(受付6時)が正しい情報でした。
先週金曜日号で、誤った時刻をご紹介しましたがお詫びして訂正します。
非凡会申込み http://www.e-comon.co.jp/training_show.php