ウィークリー雑感

ウィークリー雑感・・道東だより

阿寒の宿

今日は阿寒湖畔のホテルで原稿を書いてます。
ちょっと小ぶりの囲炉裏とベッドが二つあるだけのシンプルな部屋。
大きめの窓の向こうは朝靄(もや)立ちこめる阿寒湖。明治に発見された”まりも”で有名な湖です。

宿の5Fにある大浴場、2Fの展望露天風呂ともに眺めは最高。施設は上品で新しく、高級感ただよう宿ですが、いかんせんサービスが未熟というか、お粗末というか、人手不足なのでは。矢継ぎ早に小さい失望感をあたえてくれました。

わざわざ旅行者にたのんで、ホテルのグレードを上げてもらった宿だったのに・・・したがって、阿寒での宿名は残念ながら紹介できず。

さて、批評はそれくらいにして、昨日回ったコースをご紹介しましょう。

知床半島

午前9時、「ホテル知床」を出発。知床自然センターで放映されるショートムービー「四季・知床」の映像約20分を楽しみました。
学研の制作、城達矢の語りで、なかなか本格的に作られていて、知床の四季の風景を短時間で理解できるのでおすすめです。

映像の後は、11人乗りのクルーザーに乗り込み、知床半島を海から見上げるツアーに参加。カムイワッカの滝まで行ってきました。

知床半島は人が踏み込めない自然が膨大に残されており、船からしか眺めることができない場所がたくさんあります。
しかも今回は大型船のオーロラ号ではなく、小型クルーザーにしたのは、その方が陸の近くまで立ち寄ってくれるから。

前日は海が荒れて欠航するほど高い波でしたが、今日は運航していました。
知床半島の先端まで行くコースもあり、そちらは往復3時間(8千円)かかるそうで、私は観光タクシーを待たせていたので1時間(3千円)のコースにしました。
私以外は3組とも若いカップルで、肩を抱き合って動かない一組がいたので、さりげなく様子を見に行ったら、二人とも船酔いしていました。
だったら大型船にすればよかったのに。

知床のランチ

クルージングが済むと、空腹に。ランチは「旅の宿」という名の食堂へ。ここは人気店なのです。
生ビールを頼むとサービスとしてタラバガニが出てきます。足が数本乗ったお皿がでてくるのですが、とても大きな足で、それだけでおなかが満たされるほど。
絶品の海鮮丼とあわせてお会計2,800円とは、夢のように幸せでした。
ランチはここに限ると断言したいほど。

知床の動物

その後、半島を後にしてタクシーでオシンコシンの滝へ。
道中、いたるところにエゾシカがいます。それに知床半島全体がヒグマの生息地。キタキツネやウサギ、リスなどもいます。
私が目撃でき、写真に収めたのはシカとキタキツネ。週末にブログアップしておきますが、とてもいい写真がとれたはずです。

オシンコシンは、知床の中で一番スケールの大きな滝です。20ミリくらいのワイドなレンズが欲しい写真スポットでした。

霧の摩周湖

そして車は斜里(しゃり)町を経由して屈斜路湖(くっしゃろこ)、そして摩周湖へ。
湖岸の砂を掘ると温泉がわき出る屈斜路湖を雨傘をさしながら散策した後、日本一美しい湖といわれる摩周湖へ移動。

布施明が歌うまでもなく、摩周湖は霧の多い湖。
「霧の摩周湖を見たい」とおねだりする観光客が多いようですが、摩周湖は霧になると何も見えません。
霧を見るか、摩周湖を見るか、二者択一なのです。

ある意味、摩周湖は晴れてナンボ。30メートル以上深い湖底まで肉眼で見える透明度の高さや、水の純度の高さゆえの藍色に近い青の湖面。
これを見るのはやはり「晴れ」が必要なのです。

私が着いたときは、雨。もともとこの「釧路地区」は晴れが少ない地域なのですが、よりによって摩周湖が近づくにつれて雨がきつくなってきました。

「運転手さん、ダメですかねぇ?」
「はい、ダメですね。一応展望所まで行ってみますが・・・」とダメと断定され覚悟を固めました。
しかし行ってみたら小雨になって摩周湖の全景がばっちり見えました。
ただし、モノクロでしたが。碧い摩周湖は今度にとっておくことにして、摩周湖とお別れ。

がんばれアイヌ

摩周湖から一時間飛ばして阿寒湖にほど近いアイヌ部落にやってきました。
「豚のような熊でも飛ぶように売れた」といわれるほど、かつてはアイヌの人たちの手彫り人形が北海道土産の代表だった時代があります。
誰だって手彫り人形を買ったのです。
そういえば、私の大垣の実家にも父が札幌で買ってきてくれた手彫りのクマが今も大切に飾ってあります。

しかし今ではパッタリ売れなくなり、アイヌの人たちの収入源が細ってしまいました。
アイヌの人たちをこの部落に集め、伝統舞踊などを紹介しながら通りの両側に居並ぶ手彫りお土産店で人形を売ろうという作戦。しかし、この日、この時間の観光客は私ひとりでした。雨のせいなら良いのですが。

旅行の手配

あちこちの観光地を転々と歩くときには、私はまずパック旅行の有無をネットやパンフレットで調べ、見つからないときは、一人で旅を設計します。
そんなとき、ざっくりしたこちらの要望を伝えるだけで、適当な経路や宿を組み立ててくれる旅行者の存在が頼りになります。
私は今年の雪まつりを「トラベルウィズ」さんに頼んで正解でしたので、今回もそうしました。
電話とメールだけのやりとりですが、それで充分OKです。

観光タクシー

荷物を引っ張ってバスや列車の時刻を気にして動くのは面倒だ、という方はタクシー観光がよいでしょう。今回のように雨模様となると、タクシーの威力は倍増。
お値段は張りますが、一日チャーターし、観光案内してくれて全部言いなりになってくれて3万円くらいが相場ですが、とても便利です。

青森、高知では「またこの方にお願いしたい」と思う運転手さんに出会いましたが、こういう方と何人か知り合っておくと心強いですね。