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金利格差

今日、名古屋駅前にミッドランドスクエアがグランドオープンした。

高級ブランドの新コンセプト店や人気レストラン、ショップ、それに全席革張りの映画館など、中部経済圏の新たな顔として話題に事欠かない。

これによって、地上53階建てのJRセントラルタワー、1月26日にオープンしたばかりの40階建てのルーセントタワー、それに47階建てのミッドランドスクエアと、名古屋駅周辺が続々と摩天楼化しつつある。

JRセントラルタワーズ http://www.towers.jp/
ルーセントタワー http://www.lucent-tower.jp/
ミッドランドスクエア http://www.midland-square.jp/index.html

こんな光景を間近に見ていると、日本は今 好景気なんだと思ってしまうが地域間格差は相当に大きい。

格差といえば、先日もこんなことがあった。

ある会合で、「武沢さん、うちの会社で銀行から短期借入する際はいつも2.3%以内の金利で借りてますが、結構安いでしょ」と自慢気に話す社長がいた。

それを聞いた私は、思わず「えっ、そんなに高いのですか!」とビックリしてしまったが、その社長はビックリしている私をみてさらにビックリしておられたようだ。

それも当然だろう。

愛知や岐阜の金利相場を知っている私としては、2%を超える金利を払って自慢する経営者の気持ちが分からなかったのだ。
そこで、「借入金利の地域格差ってどれくらいあるのだろうか?」ということが気になって、帰社してからいろいろと調べてみたところ、経済産業研究所が東京商工リサーチに調査依頼したデータがあることが判明した。

資料の名称は「2006 中小企業金融環境に関する実態調査」というもので、中小企業白書2006年版に掲載されていたのだ。

この調査は、2005年10月時点におけるメインバンクからの短期借入金利を全都道府県で調べたもの。
各都道府県の中小企業が何パーセントの金利で借りているのかを、「上位25%値」「中央値」「下位25%値」「平均値」の4数字が載っている。

これを見て、「やっぱりそうか」と私は思った。自慢気に私に語ったあの社長の会社は、日本の中でも屈指の高金利県だったのだ。

金利の高低について目立ったところをご紹介しておこう。

高金利県(平均金利が2%超の都道府県。高い順に並べた)

・岩手 3.057%
・栃木 3.000%
・千葉 2.912%
・秋田 2.362%
・宮城 2.356%
・島根 2.271%
・鳥取 2.268%
・青森 2.236%
・沖縄 2.233%
・茨城 2.203%
・福島 2.178%
・鹿児島 2.167%
・長野 2.152%
・熊本 2.139%
・山形 2.118%
・北海道 2.115%
・徳島 2.095%
・石川 2.065%

(以上18県)

低金利県(平均金利が1.7%未満の都道府県。低い順に並べた)

・岐阜県 1.377%
・愛知県 1.395%
・高知県 1.438%
・香川県 1.563%
・山口県 1.574%
・兵庫県 1.603%
・奈良県 1.628%
・東京都 1.648%
・滋賀県 1.652%
・埼玉県 1.676%
・大阪府 1.679%
・岡山県 1.684%

(以上12県)

それ以外の県はすべてこの中間。

最大金利格差は1.68%にものぼるので、岐阜や愛知でお金を借りて東北で貸し出せば利益が出るかもしれないと思ってしまうほどだ。

ちなみに全国平均値は1.982%となった。あなたの会社では何パーセントだろうか?

この調査結果をどう読むかはあなた次第だが、東北全県と北海道が軒並み高金利県に入った。金融機関から見ると、この地域の企業には貸し出しリスクが高いと判断しているのだろう。

その逆に、中部・関西・四国・中国の企業は比較的貸し出しリスクが低いと判断しているようだ。

もちろん同一地域内における企業間格差もあるはずだ。
このようなデータを頭に入れておいて、銀行との交渉に有利に活用していただければ幸いだ。

さてあなたは、この調査結果をみて何をお感じになっただろうか。