未分類

貧乏脱出

「貧乏脱出大作戦」というテレビ番組をときどき見る。儲からなくて悲惨な生活を送っていたラーメン屋の店主が、繁盛店に弟子入りして猛特訓を受け、その後、見事に立ち直るという番組だ。

貧乏はいやだ、だから恥を忍んで「みのもんた」氏に手紙を送った。そして、請い願って繁盛店に弟子入りした。にもかかわらず、あまりに厳しい指導についてゆけず、必ず一度は「もうやってられない!」と切れるところが、ワンパターンながら面白い。

さて、この番組を見ていて、これが日本の縮図ではないかと思う。こんな場所でラーメン屋をやっていて儲かる時代は終わった、だから借金が増えないうちに廃業か転業しよう、と思っているラーメン屋には、本当に客が来なくなるのだ。そして早晩、廃業・転業していくことになる。

ところが、繁盛店に弟子入りして何かをつかんだ店主は、同じ場所でラーメン屋を続けて、売上げが2倍3倍になる方法を知る。どのようなビジネスでも、売上げが今の2倍になってもまだ赤字だというのなら廃業してもよいだろう。だが、2倍になれば、ほとんどの会社は黒字になるはずだ。2~3割アップで充分なところが多いはずだ。

貧乏を脱出したい彼らが、繁盛店のオーナーのもとに弟子入りして何を学ぶのか。もっと美味しい料理法・調理法の技術を学ぶのは確かだ。しかし、技術を学ぶことは、ほんの一面であって、もっと大切な何かを学んでいるはずだ。仕事の真剣さや厳しさであったり、プロとして本物を追求する姿勢であったりする。

そうした師匠から、ボロクソにけなされながら、最後に「おいしいね」って言われたとき、弟子達は皆、泣く。感動の涙をおさえることができない。

その感動を忘れず、店へ帰って再び創業の精神でラーメン屋を始める。すると、うそのように売れる。その後、元に戻ってしまって結局廃業する人もいるが、一時的にはどんな貧乏弟子でも必ず結果が出ているのだ。

申し上げたいことはたった一つ。

・思ったようになる

繁盛店は儲かると思ってそれを証明し、貧乏店は儲からないと思ってそれを証明した。あなたは何を思っているだろうか。