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千駄ヶ谷にて

昨日、またひとつ Wish-List の項目が叶った。他愛のないことかもしれないがこんな Wish だった。

「将棋会館の前で写真を撮り、売店で記念品を買う」

場所は東京・千駄ヶ谷。

原宿駅で友人と待ち合わせし、彼の経営相談をうけながら千駄ヶ谷の将棋会館まで歩いた。多少道に迷ったので20分ほどかかった。「あ~!」お目当ての「将棋会館」の文字がみえたとき思わず声が出た。「すまないがシャッターを押してくれ」「ここで?」「そう、ここで」

いぶかる友人に iPhone6 Plus を渡し、2枚撮った。その間にも人が何人か会館に入っていった。「ひょっとして羽生さん?」「あれ、谷川さんかな?」などと勝手に空想を働かせてみるが、いずれも棋士ではなさそうだ。

会館の1階は売店になっている。私は迷わず扇子売場に向かった。升田幸三(第四代名人)氏による『新手一生』(しんて いっしょう)の扇子と扇子台を買い求めた。

「なぜそれなの?」と聞く友人。私は手短に意味を語った。

定跡にこだわることなく絶えず新手を編みだしていこうとする職業棋士の気概を四文字に表現したものだよ。

すると将棋にまったく興味がない彼が「今の自分にピッタリだ」と、同じ扇子を買った。

それよりこんなところまでつきあわせて悪かった。昼飯でもおごるよ、と私。千駄ヶ谷の和食屋に入り、『新手一生』の記念に「すき焼き懐石」を二人で頼んだ。経営相談に乗ってあげられたかどうかよく分からない。ただ間違いのないことは、すき焼きが美味くて彼がとても幸せそうな顔をしていたことだ。

私も清々しい気持ちで、17時からのドラゴンコンサルティングセミナーに向かった。講演の冒頭はもちろん『新手一生』のくだり。

この扇子の意味はですね……。