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将の将たる器

Rewrite:2014年3月20日(木)

会社は社長の器以上にはならない。一時的な例外もあるが、長いスパンでみれば社長の器が会社の器といえよう。では社長の器とはどのように発展していくのだろうか?
三つの段階に分けて考えてみよう。

最初の段階は「兵たる器」という段階だ。
会社をおこして間もない段階では社長といえども一人で営業から集金、クレーム処理など何から何までこなさなければならない。自らが兵隊であり、純粋に兵隊としての強さがもとめられる。
次の段階が「兵の将たる器」という段階だ。
従業員を採用し、社長はプレイングマネージャーとなって陣頭指揮をとる。この段階になると社長は「兵」としての強さだけでなく、部下を屈強な兵士の集団にする能力が必要になる。
最後の段階が「将の将たる器」だ。
組織が発展し、部下のなかから部課長が誕生したり、外部人材をスカウトしたりもする。そうした部課長という「将」を率いていくだけの個人的カリスマの引力がもとめられるわけだ。

会社の発展段階に応じて経営者にもとめられる器は変化する。
あなたは今どの段階にいて、次はどの段階をめざしておられるのだろうか。いまの最大関心事をお聞きすることでおおむね、器がわかるものだ。

子供の送迎バスの運転をやめることができない学習塾の経営者。みずからがはさみを持ち続ける理美容経営者。みずから受注獲得や集金に回る工務店経営者。それらも一つの段階であることは認める。ところがそこから抜け出そうと思っていない経営者はずっと「兵の器」のままであろう。

時々「将の将たる器」の経営者にお目にかかる。けっして今の事業規模は大きくなくとも、器がすでにそうなのだ。こうした経営者はかならず人に恵まれ、協力者に恵まれて事業が発展する。
「経営者の器」などというと精神論めいた話題だが、確実に経営を左右する大切な要素なのだ。