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いざなぎ超え

先週の水曜日(11月22日)、政府は関係閣僚会議で、景気の現状認識について「消費に弱さがみられるものの、回復している」とする11月の月例経済報告を了承した。
さらに大田経済財政相は記者会見で、02年2月に始まった景気拡大について「月例報告のうえでは、いざなぎ景気を超えた」と述べ、11月時点で景気拡大が4年10カ月に達し、戦後最長記録を更新したとの政府見解を示した。

いざなぎ景気とは、昭和40年から45年にかけての長期大好況であり、鋳造会社を経営していた私の父親が新しい車やカラーテレビなどを次々に買い込んできては誇らしそうにしていた時代だ。
私は中学生だったが、当時のことを鮮明に覚えている。

そのいざなぎ景気を抜いた、というのだから、すごい。
だが、一体今の日本のどこが好況なの?という気持ちもある。だって、いざなぎ景気の時ほど消費が活発ではなく、国中を覆っていた “右肩上がり感” のようなものが全くないからだ。

先週、岐阜と長野で中小企業の製造業者に多数おめにかかり、経営内容についてお聞きしてきたが、製造業でしっかり勉強して会社経営している企業においては、たしかに好況のようだ。

従業員一人あたり粗利益額が1,000万円以下の企業が多く、労働生産性が高いとは言えないが、無駄な経費を削ってきたせいで利益があがりやすくなっているのだろう。

中小の製造業でも世代交代が進み、若手経営者が計画的な経営によって利益をあげている。商売上手というだけでなく、一見するとエリート論客のようなイメージの経営者が増えてきた。
そんな彼らが培ってきた成果をあげる能力によって、利益を生み出し始めたのは心強い。

いざなぎ景気のころ、製造業の経営者で読書とセミナー通いしている人を見ることは稀だったように思う。
いざなぎを超えた今の若手経営者の多くは、ものすごく勉強している。

そんな見方でみていると、「日本の未来は頼もしい」と心から思う。