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酒を贈る 余話

昨日号の「酒を贈る」に対して多数の反響があった。そのうち2通のメールをご紹介したい。

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私は大阪で繊維関係の会社をしておりますKと申します。いつも心に響くメルマガを拝読させて頂きありがとう存じます。

本日の「酒を贈る」のお話で酒癖の悪い部長に対しての解決法の一つになるかどうかは解りませんが、以前、何かで読んだ事が有る酒癖の悪い人を治す方法を御紹介させて頂きたいと思います。

その方法と言いますのは、実際に酒席での酒癖の悪い部長の乱行ぶりをビデオカメラに撮り、後日 本人に実際に見せてどんな暴言を吐いているのかしっかりと確認させる事です。

素面の時に「君は酒癖が悪い!」と言って注意を促して その時は反省していても、本人は覚えていないのでピンッときていないと言うのです。
実際に自分の乱れた悪行をVTRで見ると心の底から反省するので、その後は治ると言うものらしいのです。

この事は、以前に何かで酒癖の悪い主人を何とかしたい、義父・義母に対しても酒を飲むと悪態をつき評判を落としていると言った人が実際にやってみて治ったと書かれている物を読みました。
G社長 様のお役に立てればと思いますし、試してみる価値があるのでは?とも思います。何かの参考になれば幸いです。
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なるほど、その方法はパンチがありそうだ。
還暦近い営業部長氏にそこまでしなければならないとは少々情けない気分もあるが、一度はやってあげてよいだろう。
わざわざお知らせ下さったKさんに感謝したい。

二通目のメールは日本企業の中国法人社長をつとめるAさんからだ。

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酒乱の営業部長の話を読みましたが、中国では酒に弱い=ビジネス失格に近いムードがあります。もちろん中国人にも酒が一滴も飲めない人がいますから、飲めないことはしようがないのですが、飲んで乱れる人は次回以降、酒席に招かれることはなくなります。

それすなわち、仕事で大切な話題は彼に入ってこないことになります。
ですから、営業部長宅に酒を贈るなんてとんでもない甘やかした話で、イエローカードものだと私は思うのですが。
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まずAさんにも感謝したい。酒席が重要な意味をもつのは日本でも同じだ。
知人の会社では、研修終了後の飲み会の過ごし方が学生的ドンチャン騒ぎだったことから、社長が激怒。翌朝、全社員に改善レポートを提出させたところもある。
会社主催の飲み会は、大切なコミュニケーションの場と考え、酒乱がいてはその主旨が大きく削がれてしまうことになる。

「酒乱はよくない」という点では私もAさんと同じ意見だが、問題は、それでどうするか?なのだ。
「イエローカードの発行」という程度で片付く問題ではないと思う。

あくまでこの営業部長は仕事ができる人であり、社長もこの人材を評価しているというのが大前提である。ゆえに酒乱矯正プログラムを本人とともに考え、実行を支援してあげる必要があると私は思うのだ。

もちろん、相手は子供ではないので、当の本人が自覚し、克服していくのを見守るしかない。

おさらい。

昨日・今日と二日間の話題は、「酒乱とどう付き合うか」ではない。
本人の弱みではなく強みに焦点をあてた人事をしようということと、強みを帳消しにしかねないほどの弱みがあり、本人もそれを自覚しているならば、矯正計画を本人に作らせようという提案である。