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ライフスタイルの温故知新

連休に東京ディズニーリゾートへ。
ディズニーシーの新アトラクション「タワー・オブ・テラー」は凄かった。練りあげた物語を背景にするだけで、よくある垂直落下型絶叫マシンがこれほどの感動と興奮になるのだから、さすがディズニー。

タワー・オブ・テラー http://www.tot1899.com/index.html

約一年ぶりのディズニー訪問だが、中国からの観光客の多さが今まで以上に目立っていた。身なりも化粧も美しく、持ち物も豊かになった中国人は、会話を聞くまで日本人と区別がつかない。

中国人に金持ちが増えているとはいうが、それでも日本への旅行代金で一人何十万円。決して安くない。
上海でも初任給が日本の数分の一から十分の一、地方ではもっと所得が下がるというのに、その旅行代金はどうやって捻出されるのだろうかと不思議に思う。

その答えのひとつが、彼らの投資上手である。収入を蓄え、それを投資に回す。株式投資や不動産投資などだ。
たとえばマンションを買ってもまずは自分で住まない。人に貸すのだ。
家賃収入によってローンへの支払いを済ませ、うまくいけば、ローン返済以上の家賃が入る。そのマンションを担保にしてまた新しくマンションを買い、人に貸す。
自分の持ち家は後回しにすることによって、自由に使える資金をたくさん生みだし、資産も増やしていく。

土地や住居を自己所有し、ローンを払いながらそこに自分が住むという “持ち家信仰”があるかぎり、あなた自身のライフスタイルが制限される、つまり身軽の反対の “身重” な生き方をすることになってしまうのだ。

大前研一氏は近著で、「年配者は金はため込まずにきれいさっぱり使い切れ」と語っている。持ち家信仰も捨てよ!とまでも。

経済的にも土地的にも人間関係的にも、”身重”になってはいけない。
もっと身軽になろう。自由とは身軽なものだ。やりたいことを全部やる。何かが自由を奪うとしたら、それは古くなった自分の考え方や常識だけなのだ、ということを気づかせてくれようとしている。

大前氏のそうした視点はユニークであり、参考になる。だが全面的に賛成するわけにもいかない。
我々の先輩がもちあわせてきた、「生きている間だけが人生ではない」という考え方である。

あの世があるかどうかは知らないが、現世があれば来世があり、再来世もあると無意識に考えてきた。
しかも、自分一人の人生ではない。自分の生き方を他人が見ている。
もう一人の自分も見ている、という考え方もあるのだ。要するに、最後の最後まで妥協せず、最善を尽くすのが武士の生き様というものだ。

今日の結論。
大前流、新しいライフスタイルも部分導入しよう。同時に、古くなった常識はきれいさっぱり捨ててしまおう。

晩年イコール余生・余暇ではない。総仕上げなのだから、「七十より八十、八十より九十、九十より百、百より死んでから」という禅の老師の教えも決して忘れてはならない。

ライフスタイルの「温故知新」が迫られているようだ。