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中国サプライズ

中国、ちょっとしたサプライズをお届けしよう。

私たちが今の中国にいだいている印象と、実際の中国との間にはかなりのギャップがあるようだ。
最近の『中国巨龍』(チャイニーズドラゴン)紙からプチ・サプライズ。「えっ?」と驚いた記事をいくつかご紹介したい。

失業率20%到達必至・・・過去最大の労働力供給過剰

中国は今、失業率の高さで悩んでいる。

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農村部での余剰労働力を含む実質的な失業率は全国で20%にも達すると見込まれる。

中国の農村が抱える構造的問題を「三農」問題という。それは、「農業」の低生産性、「農村」の荒廃、「農民」の貧困、の三つだ。

その改革によって農村の余剰労働力が都市部に押し寄せていることや人民解放軍の規模縮小による退役軍人の大量放出、産業のハイテク化についていけない技術社員の失業増加などの複合要因と考えられる。

中でも大学の新卒者は深刻だ。今年の新卒者は413万人で、昨年比で75万人(18%)も増えている。わずか5年前の2001年からは4倍にも膨れあがった。このままでは博士号を持ったタクシー運転手や清掃作業員が出現する事態もありえる。
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<武沢より>

この記事はちょっと意外でした。広州など世界から巨大メーカーが進出している地域では、急速な工場労働者の求人増加で需給関係が逼迫し、ジワジワと人件費が上がりだしていると聞いていたからです。

中国は巨大な国だということなのでしょう。構造的には、しばらくは失業率大国のようです。
日本でもかつて「大学は出たけれど・・・」という時代が何度かありましたが、中国では今からそれが始まろうとしているようです。

北京の中学生 7割が父母に反感・・・希薄化する親子関係

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都市部の若者の半数は母親に恩義を感じていないという調査結果が出た。北京晩報によれば、子どもの半数は母の趣味さえ知らないという。
反面、95%の母親は、母親であることに幸福感を感じ、子どもを自分よりも大切なものと感じている。

また、チャイナネットの報道では、北京では7割の中学生が父母に対して反感を抱いており、そのうち、重度の反感あるいは恨みを抱いている中学生は56.28%に達し、父母に対して冷淡な態度をとっている子どもは19.22%に上るという。他方、父母を慕っている子どもはわずか、4.75%にすぎなかった。

中国でも情報化社会の今日、青少年は大人たちよりはるかに多くの情報に接し、外国文化の許容度も高い。さらには経済発展の影響で物質的な豊かさばかりが強調され、精神的なものがおろそかにされているつけが、こうした現象に表れているのだろう。
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<武沢より>

儒教の発祥地・中国が病んでいます。「三国志」で読んだ劉備玄徳の母思いの物語はいまいずこ、という感じですね。

農村女性の自殺率は都市部の三倍・・背景に根強い「男尊女卑」

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中国は、世界で唯一の「女性自殺者が男性自殺者を上回っている国」になっているという。
WHOによれば、中国では昨年150万人もの女性が自殺を企てており、うち約10分の1が命を絶っているという。特に深刻なのが都市部の3倍以上の自殺者を出している農村部の女性。
農薬を日常的に使う農村では、毒薬を入手できることが自殺率を高める要因になっている。また、農村にとついだ女性の場合、精神面で大きな重圧を感じているという。嫁不足に悩む農村では、男性側の実家が金銭で嫁を「買う」行為が珍しくなく、相対的に嫁の地位が低い。

封建的な農家ではいまだに「男尊女卑」の考え方が根強く、「中国婦女報」の謝編集長は、「嫁をもらうのはロバを一匹買うのと同じこと。
乗りたいときに乗り、打(ぶ)ちたいとき打てばいい、といった言葉がまかり通っている」と批判する。

男児でなければ出産しないという女性も少なくなく、こうした悪しき風潮は、男女人口のアンバランスという結果になって顕在化され、男性にとって深刻な結婚難が訪れようとしている。
中国では今、女性の地位向上に躍起になっている。
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<武沢より>いやあビックリしました。

上海へ行くたびに女性の強さとたくましさを感じるのですが、農村ではこうした痛ましい実体があるとは・・・。
お隣の国とはいえ、時間をかけて男女対等になっていくことを願うばかりです。

私たち日本も戦後の高度経済発展のひずみを今なお引きずりながら生きていますが、中国でも様々な戦争や革命の成果ばかりでなく、こうした傷あともしっかり残しながら今を生きているということです。

今日は、ちょっと驚きの中国事情を三題お届けしました。

<出典:「チャイニーズドラゴン」紙 2006年7月4日号
http://www.chinesedragon.co.jp/ >